2009年11月20日金曜日

何を勉強すれば良いのか? 〜新卒内定前その1:学歴要件〜

(出所:http://www.publicdomainpictures.net/

書くのに飽きなかったので、前回の末尾に書いた通り、「運用プロフェッショナルになるための勉強事項」について書いてみようと思う。出来る限り一般的に当てはまるよう努力はするものの、筆者が株出身なので、株式運用にやや偏っている可能性がある事はお断りしておく。

○内定を取って業界に入るまでvs内定後・社会人後

まずは、勉強事項について指摘する際には、内定を取るまで(どうやって業界に入るのか)と、取った後(どうやってプロフェッショナルとして一本立ちするか)に分けて説明する必要があると思う。就職活動のシーズンでもあるし、まずは当面は前者から書いてみることにする。

ヘッジファンドで運用者になりたいとか、アナリストになりたいと言う際、まずは先に述べたような形で外資なり日系なりの大手証券会社か運用会社のマーケット関連部署なり投資銀行部門なりのフロントオフィスでまずは採用される必要がある。こう言った条件、職種で内定を取るために有効と思われる必要事項は、概ね以下である。


○早慶以上の学歴

みもふたもないが、金融業界は学歴社会である。必ずしも経済や経営系の学部である必要は無いが、日本の大学なら早慶以上、あるいは海外の大学である程度以上知名度がある大学の学歴は、まず面接のラインに乗るために必須である。

銀行の場合学閥があり、出身大学によって最初の配属支店のエリアが概ね異なりその時点で出世度合いの有利不利がある一方で、証券会社や運用会社で学閥があると言うのは筆者の知る限りでは余り聞かない。言ってみればマーケットの仕事は、業界に入った後は何大学かと言うのは余り気にならないのだが、面接のラインに乗って業界に入り込むまでの所で学歴が必要、と言う事になる。

従って上記程度の学歴があるかたは心配ないし、無いかたは大学院の修士で上記学歴を手にするなり、資格や海外留学等他の面で採用担当者の目に付くようにするなり、知人のツテを辿ってインターンシップをさせて貰う等して正規ではないルートで採用ラインに乗せて貰うなりすると言う事になる(銀行は違うかも知れないが、証券・運用業界の場合だと面接のラインにさえ乗ってしまえば学歴は余り関係無くなるように思う)。

受験法まで細かく書く気は無いが、以下の書籍が古いものの今でも参考になると思う。題名がくどい上に随分高値で販売されているが、図書館に問い合わせる等して探してみて頂ければと思う。大学や大学院受験だけでなく、資格試験の勉強の際にも非常に使える方法である。

スーパーエリートの受験術—キミにもできる (新書) 有賀 ゆう (著)

また、筆者の趣味の、フォトリーディングもお勧めである。
習得も簡単であるし、筆者の場合は証券アナリスト試験やCFA試験についてはフォトリーディング+マインドマップのノート法を始めてから、比較的円滑に合格出来た。

[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める (単行本(ソフトカバー))
ポール R.シーリィ (著), 神田 昌典 (監修), 井上 久美 (翻訳)



○海外の大学について

昔は帰国子女は「使いづらい」と言う事で就職に不利だったようだが、現在はそう言う事も無いように思う。特に外資系の証券会社や運用会社では、英語力がある事、海外で勉強や生活をしようと言う意識の高さや行動力等は評価される。とは言え、海外大学の場合も学歴社会なので、米国で言えばTop20校以上であるとか、ある程度以上知名度がある大学である必要はある。


○学部について

株だと余り関係ない。セールス、トレーダー、アナリストとも、文学部とか哲学科とかでも素養があると判断されれば採用される。株の場合、比較的、間口が広いように思う。

「金融工学も会計もファイナンスも、興味はあるけど現状詳しく分からない。でも投資って何か楽しそう。」

と言う位のかた(普通この位の学生が過半ではなかろうか)は、業界に入る際は株にフォーカスしてみると良いかも知れない。

例えば消費者としての実感だとか、ブーム/売れ筋に敏感だとか、そう言う事柄を実際の株の選別に活かす類いの素養も株の場合必要なので、「ファイナンスや会計の知識は内定後の後付けで付けられる位の能力はあるし、統計や数字を眺めたりするのも好きだ」と言う事を示す事が出来れば「キャラ採用」が通じ得る面はある(その時の景況感や労働需給にもよるし、近年採用の間口が非常に狭くなっているようで、中々難しいという話も聞くが)。とは言え、数字自体が苦手だとか、ファイナンスや会計を勉強するのが苦痛だと言うとちょっときついので、その点は断っておく。


債券だと、株よりは数学を使う感もあるので理系の方がやや有利だろうが、セールスやトレーダーなら文系でも構わないだろう。

デリバティブの場合は理系が有利であるが、債券同様でマーケター、セールス、トレーダーなら、ファイナンスや金融工学にある程度明るい経済学部等の文系でも可能である。クオンツが作ったモデルをユーザとして使える程度の素養があれば良いと言う事である。

クオンツも概ねデリバティブに準じる。クオンツと言っても、本当にハードなクオンツから、そうエレガントではない事、例えば大量データを行列処理等でばさーっと処理出来れば良い位の分野まで色々ある。前者であれば物理や数理統計学専攻等のハード理系が向いているだろうが、後者であれば理系でも工学部や情報システム学部等、あるいは文系クオンツも居る。デリバティブの商品開発等はハードなクオンツな部類だし、Stat Arbやマルチファクターモデルによるクオンツ運用と言った分野だとクオンツの中でも比較的ソフトな部類である。まあ面接の際に正直に自らの数学や統計についての素養がどの程度か説明して、採用してくれるならやって行けそうだと判断されたと言う事である。


○学位について

ハードなクオンツ以外は院卒である必要は殆どない。金融の仕事の過半については、多少の知的体力は必要だが、そんなにずば抜けた知性は必要無い(しまった言ってしまった)。「稼ぐ事は素晴らしい」と言う単純なマインドが重要な面もあるので、稼ぐ際に知性が邪魔をする事もある。

クオンツの場合は、特にハードなクオンツの場合、海外の場合は理系Ph.dが当たり前だが、日本の場合はそうでもないようで、修士でもいいし、学士卒の採用も場合によってはある様子である。これは日本の大学院教育の特性によるものだと思う。

MBAについては、海外有力校のMBAであればある程度は考慮されるが、とは言えMBA留学前の職種次第である。元々金融業界出身だった場合、MBAから帰って来て再度金融業界に戻るのは簡単である。非金融業界出身の場合、あるいは学部卒から社会人経験なしでMBAコースに行った場合、投資銀行部門や株式アナリスト辺りならMBAの肩書きを突破口に門戸が開く可能性もあるかも知れないが、この場合は結構難しいかも知れない。


・・・学歴要件を書いただけで随分長くなってしまったので、「上記学歴要件は満たしているとして、大学生活でどういう勉強が内定を取るのに有効か」と言うのは、後日にまた書きたい。

2 件のコメント:

  1. はじめまして
    お尋ねしたいことがあるのですが
    質問は受け付けておられますか?

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  2. 平日は中々難しいですし、内容にもよりますし、問い合わせ件数が増えて来た場合全てにお答えする事は難しいかも知れませんが、就職や金融キャリア構築等に関する真剣な内容でしたら、gmailのアドレスにメール頂ければ出来る範囲でという事にはなりますが、前向きな対応を考えて行きたいと思います。

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