2009年12月28日月曜日

内定後のトレーニング:何から始めれば良いのか?

(出所:http://www.istockphoto.com/




次は、内定後に行う「運用者を目指すトレーニング」について紹介したい。
費用対効果の高い順から紹介する。


○英語の勉強

先のブログでも書いたかも知れないが、金融業界、まずは英語。これが一番費用対効果も高く、手っ取り早い。
ジョブマーケットで定期的に人が切ったり採用されたり転職したりしていて流動性がある程度あるポジションは、殆ど外資だからである。つまり、英語が出来ないとヘッドハンターに連絡しても選択肢は極めて狭くなると言う事である。

英語だけ出来れば良いと言う訳ではないが、英語が出来るだけで、転職の機会はかなり広がり、ファイヤー(解雇)されました!と言う時もどこかしら仕事にありついて業界に踏みとどまれる可能性も高まり、従って運用者になれる可能性も高まる。

英語の勉強法まで細かく書いてしまうと長くなるので、詳細は割愛する。
以下書籍辺りを参考にして欲しい。


基本的には、日本人の場合読むのと文法は問題無いと思うので、聞くのと喋るのと書くのを鍛えればいい。上記書籍に書いてある通り、日常会話からでなく、ビジネス関連、特に内定後であれば金融関係のトピックや語彙に絞るのがポイントである。後は英語で幾つかのトピックについてスクリプトを書いて、自分の口を使って朗読する、それをボイスレコーダに撮っておいて聞く、と言うのを繰り返すと比較的上達は早いように思う。仕事で使う語彙や言い回しはそう多くない。

後は内定先の人事に相談して、研修制度、人材開発制度等を利用して、出来る限り会社負担で語学学校に通う費用等を出して貰うのが良いだろう。日系企業で、最初の配属で英語を必ずしも使わないような職種であっても、「金融業界は今やグローバルでありますから、英語は必須だと思うのであります!」等と適当に理由を付けて相談すれば、積極的だと言う評価にこそなれ、損する事は殆どないだろう。


○証券アナリスト資格、あるいは米国証券アナリスト資格(CFA)

「どの分野を勉強すればいいですか?」

と学生さんやジュニアのポジションのかたに聞かれた時には、大体は

「証券アナリスト資格か、CFAの勉強をするのが良いのではないかと思います。」

と答えるようにしている。
別にこう言う資格を持っていれば稼げると言う訳では断じてないのだが、プロフェッショナルとして必要な知識について、一通りの分野について適度にまとまっている。

大学や大学院で学ぶ内容は、昨今日本の大学も徐々に実務寄りになって来ている雰囲気も感じるものの、やはり日本の大学教育の現状では実務家になるには適切でないと感じる事はある。日本の場合実務の世界と大学の交流が余り盛んでないため、実務家をした事のない学者だと、どうしてもそう言う事になりやすい傾向はあるように思う。大して難しくない内容が妙に小難しく教えられているとか、実務の世界では重要な事が大学では「学問として美しくない」と言う理由で遠ざけられている、と言う面もあるようにも思う。また、学習内容のボリューム的にも絶対的に不足している感もある。

一方で実務だけで学ぶと、例えば株のアナリストだと企業分析だけに偏ってしまい、債券/金利やマクロ経済、統計等が全く分からない、と言う事になりがちであるが、証アナ試験もやっておくとこう言う事を防げる。運用をする段階になると企業分析の知識だけだと追いつかなくなるが、そう言う事態をある程度防げる。

また、教科書レベルの大した事ないアイデアを思いついた際に、これはコンセンサスレベルだと理解する事が出来るようになる。何か投資戦略等思いついた際に、俺って凄いとか一瞬思ってしまうものだが、過半は先人が既に教科書や論文にしていたりするものである。そこで俺って凄いと勘違いしないで済むようになる、と言う効果はある気がする。芸術にせよ何の分野にせよ、先人の知識の集積に対して、自らの発想など過半は無力なものである。先人の知識の集積に、ほんのちょっと自分なりのテイストを加える、と言う感じになろう。

もうちょっと現実的な話をすると、株のアナリスト等だと証券アナリスト資格が応募要件で必須の事も結構あるため、解雇された際等には幾ばくかのJob Securityにもなる。バイサイドだと特に、実務経験がかなり長いシニアでさえ、証券アナリスト資格がないと機械的に応募要件から外される事もあるそうで、たかが資格、されど資格で案外侮れない。

英語がある程度出来るかたは日本の証券アナリストのほうは省略して、CFAを受けてしまうのが早いだろう。海外でも通用するし、全体に日本の証券アナリスト資格より評価が高い印象を受ける。習得分野も日本の証券アナリスト資格よりもトピックが新しくバランスが取れている印象を受ける。グローバルマクロのファンドマネジャー等でも、CFA資格を推奨している者も居る。テキストも英語だと曖昧な表現が少なくストレートで、具体例も豊富なため、日本語ベースだと難度が高く感じやすい分野(統計、会計、デリバティブ等)も案外分かりやすい。金融/ファイナンス英語の勉強にもなる。ただし3次試験まであり、外人のネイティブが受けても全て合格するのに平均3−4年、日本人の場合4−5年程度かかる試験なので、覚悟は必要である。英語が全然だめのかたは、まずは日本の証券アナリスト資格を取得しておくのが良いだろう。日本で仕事するのであればそれで足りると言う面もある。試験も2次までであり、CFAよりは負担も少ない。

学生さんの内定者で時間のあるかたは、証券アナリストかCFAの1次試験の勉強を始めてしまうのは手だろう。社会人になって仕事をしながら勉強するのは、結構な負担である。


○投資/トレード関連の読書

マーケットの仕事をするとなると、まず最初にお勧めするのは、以下両者を読み比べる事である。筆者が最初に内定を貰った時、確か誰か外人のシニアがこれをする事を勧めてくれたように記憶している。


前者は「投資/トレードはスポーツや格闘技と同じで、鍛えれば上手くなるしアクティブにやって一貫して勝てるようになる」と言う考え方を代表している。

後者は、「マーケットに一貫して勝つ事は無理、あるいは少なくとも極めて困難である。インデックスファンドに投資しておけば、7割がたのファンドマネジャーに勝てる」と言う考え方を代表している。

どちらも一面の真理と言うかコインの表裏のように思うし、何より上記書籍位の知識前提が無いと、シニアや先輩、同僚と仕事の会話が成立しないようにも思う。

マーケットの魔術師は、以下の通り幾つか姉妹版がある。ジャック・シュワッガーがインタビュアーのものはどれも素晴らしい出来で、かなりの年数が経っている現在でも読み返せば含蓄がある。


その他、ブログで紹介した書籍は、右脇の参考書籍一覧の所に一覧にしてあるので、こちらも興味に応じて参照頂ければ幸いである。

さて、新卒面接対策編は、筆者が段々ネタ切れにもなり、飽きて来たので一休みしたい(質問がある方は、別途自己紹介欄にあるgmailにe-mail頂ければ、必ずとの保証は出来ませんが、可能な範囲でブログ上かメールで回答出来るようにしたいと思います)。

1 件のコメント:

  1. はじめまして。来年から日系大手運用会社に勤める者です。

    丁寧かつ具体的な文章は、私のような読者にとって大いに有意義なものです。これからも投稿を心待ちにしております。

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