2010年3月22日月曜日

とある知人からの連絡

(出所:http://www.publicdomainpictures.net/)

独立して、自身で小規模のビジネスをやっている、とある知人から連絡があった。

「家賃延滞していた大家から明日で退去勧告が来ている。銀行からの借入負担もある。資産の差し押さえも入るかも知れない。期日がない。どうすれば。。。」

との事。普段は気丈だったはずの知人は、すっかり憔悴していた。
人柄はしごく温厚で素晴らしいし、職人タイプでその事業の事なら詳しい人物なのだが、会社の経営となると不得手の面があり、更には会社が潰れそうな時にどう振る舞えば良いかなど全く分からないようだった。目の焦点が定まっておらず、破産してしまった方がいいだろうか、顧客にはどう説明したらいいか、あの時こうしておけば良かったのに、と完全にパニックになっていた。

危機が来た時にどう言う気分になるかは、筆者も経験済みなので、気分はよく分かった。
色々話を聞いた上で、幾つか指示をした。

*過去の事、「たら」「れば」はとにかく忘れて。今この瞬間から何が出来るかだけにフォーカスして。

*とにかく深呼吸して。外の空気を吸う。頭でもやもや考えて居ると余計追いつめられるから、利害関係者と、状況と、取るべきアクションを紙に書いて一覧にして対応を考える。テンパってるのはよく分かるが、とにかく落ち着く。一人じゃない。皆で考えれば何かしら知恵は出て来る。

*借入先の銀行で懇意にしている人は居る?居るなら、状況を説明してリスケをお願いするんだ。額も少額だし、ビジネスからのキャッシュフローが無い訳じゃない。相談に乗ってくれるかもしれない。

*コストの中では賃貸料の比率が高いみたいだね。幾ら延滞があっても、対大家では、借り主・占有者の方が基本的に権利が強くて、実際退去させるとなると大家側も大変な手間がかかる。状況を説明して、滞納家賃の一部でも良いから何とか気持ちとして支払をして説得して、家賃減額と滞納家賃の分割払いの交渉をするんだ。賃貸物件の形態が特殊で転用が効きづらいから、大家だって次の借り主を簡単には見つけられないはず。近隣の家賃だってかなり下がっているはず。交渉の余地はあると思う。

*後は弁護士に相談しに行くといい。延滞額も債務の額もそんなに大きくない。破産に入れてしまうのは簡単だし債務額が余りに過大な場合は破産に入れてしまった方がいいと言う場合もあるが、一応既存ビジネスから多少なりともキャッシュフローが上がっているし、季節性は大きいものの比較的粗利率の良いビジネスも持っている。債務の弁済延期等で対応してその間に再生する、と言う方法もある。破産した場合銀行にも泣いて貰う事になるし、大家さんから物件の保証人に支払請求が行く事になると思う。銀行の担当者からの信頼や、友人知人が保証人なら特に友情も台無しになる。規制ビジネス等に従事する際等に制限がかかる分野もあるし、銀行からの借入も勿論難しくなる。再起する際にも影響は勿論出る。成り行きで安易に決める話ではない。弁護士が付いているとなれば大家や債権者も変な事はしづらくなる。専門家と相談して、どう動くか考える事を薦める。弁護士費用は分割や後払いにする事も出来る。事前に紙等に状況や相談したい事を書いた書面等準備すれば短時間の相談で円滑と思う。

、、、まあ、ハッキリ言って素人でも言えるような大した話では無いのだが、多少救いになったようだったので、ちょっと良かった。後は筆者に出来る事はそう多くない。結局本人が現実と立ち向かう以外にはない。幸運を祈っている。

それにしても、こう言う金銭利害の話の整理は金融屋が比較的得意な分野の話なのかも知れない。ショックやスランプが起きても淡々とToDoを考えて遂行する事だけを考える事が出来る(いや、もちろんこう言う場合は感情的にはショックだし、テンションは非常に低いのだが)と言うのはヘッジファンド屋をやるようになって身に付いた事かも知れない。

普段当たり前の事だと思って居たこれら事柄が案外時と場合によっては貴重なケースがあって、金融屋のスキルをこうやって他人の役立てる事も出来るのか、随分と相場には色々与えて貰っているものだな等と、意外な思いをしたと同時に、相場に感謝した昨今であった(勿論この商売してると、単純に相場の神様有り難う、感謝感激、とかだけでなく、色々な気分になる事もありますけれども)。

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