2010年4月8日木曜日

ファイヤーその後

(出所:http://www.publicdomainpictures.net/)

さて、幸か不幸かファイヤーと相成ったので、ヘッドハンターと面談、後は面接を幾らか。
そこでバイサイドの、特に株のアナリストや運用関連を中心とした話で昨今の人材市場のトレンドを少々述べたい。

リーマンショック直後のような、「全く採用が無い」と言う状況は終わったようだ。
幾らか案件はある様子。少々ほっとする。

後は特徴として、日本国内の求人はさほど回復していない点、香港の案件が非常に多い点。

特にヘッジファンドにおいては、国内の和製ヘッジファンドは軒並みAUMの減少を余儀なくされていて余り採用がない。と言うか、もはや採用が出来る規模の在るヘッジファンドが余りない。日本に拠点を置いている外資や日系のロングオンリーも入れ替え需要が少々あるだけである。

一方で、香港ベースの大手やスタートアップでの採用ラインが少なからずある模様。
アジアの金融拠点の中心が、すっかり東京から香港に移ってしまった印象である。
英語が出来て良かったと思う一方で、中国語の勉強はこの2−3年でしっかりやっとかないとなと痛感。
学生さんや若いプロフェッショナルの方は悪い事は言わない、英語は絶対しっかりやっとく事、海外で通用するキャリアビルディングを意識する事である。日本の金融プロフェッショナルのニーズは今後確実に減るし、人余りになると思う。

Job Marketに久しぶりに出てみて、「日本株のプロフェッショナルの、スペイン株やイタリア株のプロフェッショナル化」は急速に進んでいる印象を受ける。要するに、スペインやイタリアがEUの一部になった事で、スペイン株L/Sだのイタリア株L/Sだの言うニーズが無くなり、One EUとして運用がなされるようになったのと同様の事が、日本で起きているのである。One Asiaとしてアジア全域を香港やシンガポールから見るようになっている、と言う事である。

投資銀行なんかでも、例えばプロダクト開発なんかは過去東京だったのが今や全部香港に集約されていて、東京オフィスはセールスだけ、と言うチームもあるそうだ。そうなると日本人の需要はセールスだけと言う事になる。

昔であれば、日本に担当者を配置して日本株をボトムアップで詳細に見る価値はあった。
テクノロジーでも日本企業は世界においてもキープレーヤーで重要だったし、鉄鋼業界等も同様で、BHPビリトン等との石炭価格の交渉などはまずは新日鉄と資源メジャーの間で行われて、その価格をベンチマークにして中国勢等との石炭価格は決まっていた。先進国の中では発掘されずに埋もれている中小型株等も多数あり、中小型株等の分野でも日本は「ボトムアップで発掘のしがいのある市場」であった。

それが今や、テクノロジーの分野では韓国のSamsungと台湾勢がキープレーヤーで、鉄鋼業界は中国の宝山鋼鉄等が重要プレーヤーである。日本のアナリストはセルサイドもバイサイドも、今後5年10年位で人余りが明確になって来るだろう。

以前一度大ブームになった中小型株も、最近堅調になってきているので今年一杯位でワンチャンスありそうな感じはするが、以前のような大ブームは来ないようにも思う。

理由の一つとしては、機関投資家の投資先となり得る程度の出来高のある銘柄が減っている事。
東京市場の出来高が減少している結果、機関投資家が何とか手を出せるでしょうと言うぎりぎり線で1日で2000万円以上の出来高額がある銘柄をスクリーニングすると、今や上場株4000社弱のうち1500銘柄あるかないか位である。1日1億円以上の出来高のある銘柄となると、今だとBloombergのインフラが無いのでスクリーニングが出来ないのだが1000銘柄もないと思う(そもそも上場する意味が無い会社も多いんだと思う)。この位の銘柄数なら、香港からテレカンで取材しまくって、本当に取材して確かめたいとかテレカンを受け付けないと言う銘柄だけ日本に出張して取材すると言うスタイルで十分である。

別の理由としては、中国株やインド株等で期待リターンの高い話は幾らでもあると思われる事。
同じ流動性等のリスクを取るのなら、成長率の殆どない日本の内需銘柄が過半である中小型株を調べるより、経済のパイも拡大してマーケットの流動性も急速に改善している新興国で、将来のウォルマートやDellのような大物を探す方が、最終顧客である年金基金や大学基金や富裕層からしてもずっとエキサイティングだろう。

こう言う事を考えると、中小型株の投資でタワー投資顧問の清原氏が年俸100億円を叩き出し、同業者から見ても分不相応にしか見えない坊ちゃん嬢ちゃんアナリストが年俸5000万円だの1億円だのを平気で貰っていたような「大バブル」はもう来ないのではないかと言う気がする。中小型株が上がるにせよ、「ワンチャンス程度」かも知れないなと言う事である。筆者のEdgeの一つが中小型株なので、この辺は良く考えておかないといけなそうである。


偶然解雇されてみて、時代の大きな節目なんだなと実感している。

Lisa Loeb "Stay"

こちらを聴き、先日お会いした知人に頂いた栗ようかんにお茶などすすりながら、ケーススタディのために小売りの月次データ等を収集中。。。比較的時価総額のある銘柄で、セルサイドのリソース無しでスクラッチから数字を取ったりエクセルで手打ちしたりパワポのプレゼン作ったりと言うのは中々久しぶりである。ハイスピードで短期のトレードをする事が近年過半だった事もある。アナリストの初心に返る感じである。まあ頑張り過ぎずに、楽しみますかな。。。でもって、のちのち後悔ない進路を探そうと思う。

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