2010年7月28日水曜日

メモ:毎日エコノミスト2010/7/13特大号より

更に行きます。

○日本経済について
在庫率は上がり始めだが出荷が頭打ちになって来ている。輸出が落ち着いて来ちゃったね、と言う図。まあ大局観としては「凄い強い」訳じゃないだろうなと。例えばブリッシュ全開でもりもり上がる、と言う状況ではないと。とは言え株価を短期で見て行く場合はもうちょっとOpportunisticになる必要があるのでその点注意。何度か述べているかも知れないが、筆者はヨーロッパストレステストアク抜け、中国金融引き締め一服、米国企業決算も良好で、短期では買い回転で考えて居る。


○商社特集。

セルサイドの大きめのレポートを読んでいる感覚のこう言う特集は読み応えがある。セルサイドのレポートでも、最近めっきり労作が減ってしまったように思う。まあ、その理由が筆者が以前そうだったように短期回転させるヘッジファンドが客の中心になって来ていると言う所にあるので、何と言うかまあ、微妙な所ではあるんだけれども。
上記が業績動向。住友商事は資源関連ビジネスのエクスポージャーが小さいので、回復幅も小幅になっている。
上記が純利益の推移。
資源、非資源別の業績動向。商社を見る際はこう言うくくりで見るのが普通である。
資源、エネルギー世界マップ。これは一覧性も良く、助かる限り。商社の財務面。各社とも財務レバレッジが相当下がって来た。一方で投資先は限られている事を考えると、増配や配当性向の向上(商社の配当性向は2割内外で、日本企業全体の目安の3割程度と比べて低い)と言った所が大切なテーマになるだろう。

また、三井物産や三菱商事はより資源株(前者は鉄鉱石、後者は石炭)としての位置づけが強い。一方で住友商事は一見資源エネルギー比率が高いように見えるが、権益を持っているよりも銅のトレーディングの部分が多いので実際には資源株としての位置づけ度合いは小さい。

最近、外ー外の機械プロジェクトの案件が増えているそうだ。日本と海外、海外と日本を繋ぐ、と言うビジネスだけだと日本企業のグローバルプレゼンスの低下や、日本企業が大手企業は特に国際部を社内で持つようになって来て居る事などから成り立たないのだろう。それにしても、海外企業同士を結ぶ際も、「ジャパニーズショーシャ」のグローバルネットワークを使うと言うのは中々面白い。商社のビジネスモデルは日本独特の面もあるので、ぜひ頑張って欲しいと思う。
各社の為替換算調整と有価証券評価損益の推移。これが上下する→バランスシートの資本の部直接ヒットで自己資本が上下する→財務レバレッジが上下する→商社は格付け対策の面から財務レバレッジの適正管理が重要なので経営スタンス、投資スタンスも変化する、と言う形で結構重要な意味を持ってますよと言うアナリストからの指摘。

○フォックスコン

あぽーのiPhoneの受託製造もとであり、不審な自殺多発事件等を発生させているHon Haiの子会社、フォックスコンの特集。ソニー、任天堂のゲーム機やら各社のノートPC、ソニーの液晶テレビまで受託している。ここがもっと取分沢山くれよ、じゃないと自殺しちゃうぞと言う話だと、生産を委託している各社のコストに影響が出るだろう。先般のホンダ等の労働争議と合わせて、要チェックの話題である。

○中国のネットショッピング事情
拡大中。楽天が大急ぎで英語を公用語にしたり、中国進出したい訳である。

○財政健全化への道を考える。
公務員は働いてない割に給料貰い過ぎだろうと言う事である。バリバリ働いている忙しい省庁の官僚とかならともかくも、一般的なイメージで言えば9時5時定時労働、リスクフリーの公務員が、激しい競争に晒されて解雇リスクも考えながら働いている民間より給与が良いと言うのは理解出来ない。公務員のリストラや民営化は必須だろう。

これが中々面白い。政府支出における個別消費支出と言うのは、教育、医療保険等の「受益者の対象が明瞭なサービス」で、「集合消費支出」と言うのは、国防、警察、消防署等の「受益者が誰と言う事はないが国民全体で考えて必要なサービス」である。

北欧諸国やフランスにおいては、個別消費支出の割合が非常に大きい。つまり国民の個人個人が、「国からこれだけ補助してもらっている」と言う実感の湧き易い分野に手厚くお金を使っている。だから国民全体として高い消費税率等に対してもコンセンサスが得られていると言う面があるだろう。

一方で日本においては、個別消費支出の割合が相対的に小さい。つまり国民の個人個人が「国からこれだけ補助してもらっている」と言う実感が少ないのではないかと言う事が考えられる。確かに、例えば教育を例にとってみても、日本の公教育、公立学校だけでは大学にはとても行けず、家計は非常な多額を塾等に自己負担で投下している。この例の教育の分野に関して言えば、多くの家計は「国にサポートして貰っている」と言う感覚は希薄で、「実質的に自己負担」の感覚が強いだろう。

こう言った事情があるから国際的にも消費税率が低いにも関わらず、税金をちょっと上げようとなると、先の「公務員の給料貰い過ぎの件」とも相まって、「公務員の懐に流れて、自分に還元される所が少ないから、嫌だ」と言う心情になり易いのではないかと思われる。

財政健全化の道として、公務員のリストラ、あるいはリストラしないなら安定していると言う低リスク応分の低リターンにさやよせする形で減給断行をして国民の納得感を醸成する一方で、個別消費支出の面で「税金を国民に再配分する事で国民の皆さんにこう言う便益がありますよ」と言うのをもっとアピールする必要があるだろう。また、政府消費支出における個別消費支出、例えば教育等の「国民が便益を確認し易い分野」でのクオリティアップも欠かせないだろう。例えば、杉並区立和田中学校の試み等は、賛否両論あるにせよ参考になるだろう。

(和田中学校の活動は以下)

国も税金引き上げのためにマーケティングを考える必要がある時期に来ているように思う。

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