2010年8月2日月曜日

メモ:毎日エコノミスト2010/8/10号より


○優良企業紹介。

マニー。良い会社である。トレーディングと言うより投資向けの会社。

○ナイスツッコミ。
そうだよなぁ。(欧州ストレステストについて)


○他国の外交・経済活動に干渉する米国。

筆者は北朝鮮についてはどうかと思う一方で、キューバとベネズエラとイランについては彼らなりの「正義」もあるように考えている。立場を変えると米国のやっている事が「一方的で帝国主義的」な面はやはりあり、その点において彼らの言い分も分からないでもない面もあるからである(だからと言ってイランの核開発推進が良い事だとは思わないが)。

勿論、日米安保条約が防衛上の一番重要な基礎となっている日本として積極的に彼らに賛同する事は難しいし、立場上良い戦略だとも思わない。しかし、目立たない範囲でベネズエラやイランやキューバとも経済交流を持っておく事は、資源獲得ソースの多様化等の観点で日本の国益に叶っていると思う。日本企業では、INPEX帝石1605がイランのアザデガンの石油開発案件に過去関与しているし、伊藤忠商事がイラン企業と確か化学関連の事業を行っていたように記憶している。石油以外に、筆者の好きな干しイチジクもイランが原産だ。マクロビオティックを遂行しているためスナック菓子や砂糖の甘味を避けている筆者のおやつとして機能している以外にも、干しイチジクは便秘に良いので便秘持ちの幾多のジャパニーズ婦女子や紳士を救って来たに違いない。こういうのまで規制されるのはちょっと困る。また、対ベネズエラではINPEX帝石と三菱商事が石油開発案件で関与している。その他、米国ではキューバの葉巻は入手困難だが、日本では比較的簡単に入手出来る。

INPEX帝石は大株主が政府である事を考えると、何と言うか非常に微妙な立場である。とは言え、アメリカと仲良くする一方でイランやベネズエラやキューバともビジネスをやる、と言うこう言う日本の「八方美人主義」のスタンスはバランスも取れているし、誰とも敵を作らず上手くやって貿易する事で巧みに地位を築いて行けると言う意味においてこれこそが日本人の強みだとも思う。米国政府からグダグダ言われたら、「いやー民間企業の活動を政府が恣意的に制限する事は、米国様の主導する自由主義経済、グローバル資本主義の考え方にも反しますしぃ〜」と、こちらもギリギリまでノラリクラリとグダグダ言う事で対応するべきと思う。沖縄の基地等の日米安保の根幹の所では現実路線で行く必要がある一方で、米国から「日本はやっぱり植民地だ」とナメられ過ぎては良くない。焼きそばパン買って来い、ハイ行って来ます、みたいなアファーマティブでない卑屈な従属関係になってしまうと非常に良くない。少なくとも、出来るだけのらりくらりやっといて、中間選挙ギリギリで「しょうがないなあ」とばかりにオバマ氏に恩を売る材料にするとか、可能な限り戦略的に上手く活用して、独立国としての矜持は出来る限り保つべきと思う。

○税の話。
増減税セットで経済のカンフル剤として減税措置を使っているうちに、徐々に租税負担率は上昇ではなく下降している、と言うのは良い視点と思う。選挙対策で景気対策の減税や優遇措置を発動しがちなので、日本に限らずこう言う傾向はあるように思う。
以前に紹介した通り、日本は、各個人が明確に「政府に補助してもらっている」と実感出来る恩恵が少ないため、増税に対して抵抗感があると言う面があるだろう。また、欧州各国が職業訓練、再教育などの「その他」部分が多く、セーフティネットを効果的に創出している一方で、日本はこの点もプアである事も分かる。こう言った「国民各個人から効果が見え易い部分」を集中的に強化する事で、政府サービスのお陰で生活が楽になる、と言う印象を国民にあたえ、増税に納得して貰う、と言う方向性を打ち出す事が政権の課題だろう。
上記は、一般には「社会保障の手厚い福祉国家は国民の労働モチベーションを削ぎ、経済成長しなくなる」と言う事が実際には当てはまらず、経済成長率と社会保障に明確な相関が無い事を示すもの。確かにスウェーデンが高成長なのは興味深い。

高齢化率が高まっても国民負担率が変わらない分のしわ寄せが、国債の大量発行と言う状況に結びついている。国民の納得感を醸成した上で、国民負担率を上げて国債大量発行を抑える事はやはり必要である。
上記は案外以外であった。日本に居ると所得税や社会保険料でがっぽり持って行かれる印象があるからだ。香港等と比較するからだろうか。
上記論文の筆者によると、資本所得部分の損益通算が現状は細切れで、全体で損益通算出来ない点が問題だとの事。株式配当や株式譲渡益の税率を20%に戻して構わないので、損益通算を全体で出来るようにする事で、投資家のリスクテイク(=お金の流れ)を促す事が出来るとの事。

○東京の容積率規制と実際使用している容積率について。

中央区、千代田区、港区辺りは比較的容積規制一杯一杯まで使用されているので、今後の価格下落リスクは小さいと言える。一方で、その他の区については、再開発が進んで高層タワーマンション等が大量供給された場合、需給が一気に崩れる可能性がある。上記のグラフを作成した筆者は、固定資産税を引き上げて、昔から土地を持っている地権者の売却と再開発を促進する事で、経済の活性化と都心の空間の有効利用、都心の不動産価格下落により一般人でも都心にマンションを安価に買う事が可能になり、豊かさを実感出来るようになる、と説いている。不動産を既に所有している側からすると迷惑な論理だが、確かに都心で安価にマンションが買えれば通勤時間は短くなるし、悪くは無いはなしだ。


○白川先生、これは御社プライベートバンクのマーケティングでしょうか?の件。

クレディスイス証券チーフエコノミスト、白川氏による「富裕層の過剰貯蓄に課税して経済を活性化させる」と言う案。上記の通り、家計の貯蓄が余り過ぎており、お金が経済に流れていないのが景気停滞の問題だ、だから貯蓄の超過分に課税すれば、皆お金を早く使う気になるから経済が活性化する、と言うのが基本的なアイデアである。

しかし、これは上手く行かないだろう。理由。富裕層の過剰貯蓄に課税する→金持ちほどタックスヘイブン活用とかオフショアバンク活用とかに敏感だし、そう言うサービスをクレディスイスも含めたプライベートバンクが提供している。→金持ちの貯蓄は単に海外に逃避してしまうだけ。結果として国内貯蓄が減り、国債買い支え資金も減り、国債価格は下がり、消費刺激には繋がらない、と言う結果になる・・・と言う事。クレディスイスさんは儲かるかも知れないが、政策提言としては失敗に終わる可能性の高いアイデアである。

とは言え、白川氏のフォローも入れておくと、「保有しているキャッシュや預貯蓄に、利子ではなくペナルティを与える」と言うのは信用乗数を上げる上では非常に有効なアイデアである。但し貯蓄に課税しても上記の通り海外退避が起こるだけであるから、別の方法、例えば地域通貨の導入と言ったアイデアになるのだろう。

○銀行の貸出先がないの件についてのデータ。
ご参考まで。貸し出し金利は下がり続け、貸出は昨年末からマイナス。そして国債イールドカーブは潰れて行く。うーん、マクロ統計だけ見ていると、日本株には全然強気になれない。

○スフィンクス藻谷氏のコメント。
当たる外れるは別として、スフィンクスインベストメントリサーチの藻谷氏はコンセンサスに常に挑戦されていて、学ぶ所の多いエコノミストと思う。上記は「景気悲観論は行き過ぎだ、単に急回復期から巡航速度に戻りつつあるだけ」と言う議論。

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