2010年8月11日水曜日

メモ:The Economist 2010/8/7号より

○リバイアサン?
なんのこっちゃ?と思ったが、リバイアサンとは公共セクターの例え。昨今、産業政策を政府主導でやる事が増えているよと言うのを指摘している。新興国においてはペトロブラスとかヴァーレとか、政府主導で作られて成功した会社もあるけど、民営化されたから上手く行った、先進国ではさっぱり上手く行っていない、クラウディングアウトするだけだ、と言った論調。
官主導の産業政策の失敗例として、日本の天下りが紹介されている。英語で「descent from the heaven」。なるほど。民主党がこの慣習を変えようとしてるけど結構時間かかるよ、みたいな感じで紹介されている。
過去の産業政策の一覧。韓国や台湾と言った成功例はあるけれども、中々官主導の産業政策で上手く行った例は無いですよと。
昨今は環境関連でのpublic investmentのプランが非常に多いけど、さあ成功するんですかと言う論調。日本の民主党政権も、やや政治主導で成長産業に配分しよう、と言った向きが強くなっているので参考になるだろう。新興国の場合は、インフラ整備して、鉄鋼や石油化学等を強化して先進国にキャッチアップして、と言った具合にゴールが比較的単純明快なので政治主導で上手く行く面があるのだと思う。一方で、日本のように既に先進国になり切ってしまって、非連続的なイノベーションや投資家業としての立ち回りをしなければならない段階では、政府が投資家業を上手くやれるとは確かに余り思わない。民間のイノベーションや高付加価値の知識産業の勃興を促すような政策を、法人税の減税を、と言う事になるだろう。
一方で、ブラジルではBNDESと言う州営?国営?の開発銀行が成長している。日本でも高度経済成長の頃は官主導の産業政策が応分に機能したと言う話の類推で、途上国では政府主導で重点分野に集中投資する、と言うのは機能する話なのだろう。
そんな訳で、エコノミスト的には、イノベーションも経済原理、賞金とかおカネで解決する方がワークするんじゃないの、と言う論調。まあ、経済関連の人の典型的な論旨だ。


○アフリカの話。
こう言う話は日本の情報ソースでは殆ど出て来ない。投資にすぐ繋がる話ばかりではないが、これがEconomistとか海外情報ソースを確保していて面白い所だ。
中国人ってどこでもいるよねと。ほんとそう思う。どこの海外に行ってもチャイナタウンがある。筆者も海外でコメが恋しくなったらチャイナタウンに行く。彼らは何とも逞しい。

○日本の新天地。
日本の生きる道は、新興国進出!と言う記事。

日本の貿易において、中国や香港向けの貿易シェアが長期でずっと拡大している。SourceがNomuraとなっている点に注目して欲しい。「だから日本のアジア関連株だ!Buy!Buy!Buy!」と言う買いコールで良く使われていたデータなのである。筆者も顧客の説明で往時には利用したような気がする。日本株自体はあんま盛り上がらなかったけど(爆)。


○収益回復すれど、仕事は増えず。
決算は良いんだけど、人の採用まで結びついていない、と言う状況の解説。溜まってるキャッシュが人の採用や設備投資に結びつくかの境目だ。今のマクロ統計等見ていると、旗色は余り良くない面もある。しかし、FRBが金融緩和策に出ている点も注目である。潤沢なキャッシュはどこかしらに向かう。特に米国企業の場合、投資家の目が厳しいため、企業がキャッシュのままずっと持っている訳には行かない。投資するなり、投資先が無いなら配当で投資家に返すなりしろと言う話になる。配当で投資家に流れたお金がまたどこかに投資されたり、消費に回ったり、貯蓄されたりする。マネーは巡る。

○1930年代の再来にはならない?
1930年代の再来(大恐慌後、ナショナリズム台頭、ブロック経済化)の予想が多いけれども、貿易は戻ってますと言う図。ちょっとほっとする。

○欧米の銀行は結構儲かってるじゃないのの図。ちょっと前まで欧州銀行の評価はとっても低かったのに、昨今セルサイドも買い推奨だよね、なんのこっちゃみたいな内容。今まで出ていた貸倒その他の損失がだいぶ減ったよと言うのが理由。しかし欧州経済の状況が不安定なので、また貸倒が増える可能性もあるし要注意だねと言う締め。記事としては平凡だが銀行の収益が回復していると言う点は再確認したかったので掲載。

○今後の世界の労働人口増加のうちの半分がインド人。
これは中々面白い。中国は一人っ子政策と高齢化の問題があるので労働人口が存外増えない。ブラジルは人口の分母がインドや中国ほどない。長期で見ればインドの成長は目覚ましいものがあるだろう。何度か利上げが終わった後に景気とマーケットの調整、金融緩和にインド通貨安が必ずあるだろうから、その時点でインド株を仕込んでおく、と言うような超長期戦略が考えられる。ブラジルもそんな感じだ。

○最後のページで気づいた事:ロシア国債が逆イールドだからヤマパン株買い!?
ちょっと数字が小さくて見づらいだろうが、ロシアの国債イールドカーブが逆イールドになっている事にふと気づく。これが何を示唆するかと言うと、足もとは干ばつや火災、小麦不作等でインフレが起きている(だから期待インフレ率が反映されて短期債の利回りが高くなっている)が、これは沈静化するだろうと言う予想になっていると言う事である。国債市場がトータルで見て正しいと考えると、ロシアのインフレは短命→小麦価格急騰等も落ち着く→だったら小麦価格高騰で原材料高が懸念されていたヤマパンなんかは買い、と言う発想になる。タイミングも重要だし、会社側想定がどうなっているのか等の個別要因もあるので投資の際はちゃんと調べて欲しいが、こう言う発想のキッカケになるのがEconomistを取っていて好きな点である。

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