2010年9月12日日曜日

本棚ごとevernoteに取り込んでしまえと言うアイデア。これを銘柄に落とすと・・・。


○本棚ごとevernoteに取り込んでしまえと言うアイデア。

最近は、名刺等から更に一歩踏み込んで、題名の通り、「本棚ごとevernoteに取り込んでしまう」と言う事を模索中である。

方針としては、「既読の本は、全部電子化してevernoteに突っ込む」と言う感じである。未読の本は、データベース化しても使いこなせないだろうと言う判断である。一方で既に読んで理解した本も受験の時じゃあるまいし細かい内容は忘れてしまう。この「理解しているけれども忘れている」と言う埋もれている知識を常に活用出来るようにしよう、と言う判断である。実際、過去自分の読んだ本をぱらぱらめくってみると、今でも結構勉強になる。読んだ際の下線やメモ等もそのまま残せるので、読んだ際の理解も直ぐに呼び起こす事が出来る。これも良い所である。

これを家でスキャンするのは大変である。しかし、iPadの普及等で「自分の本を電子化する」と言うニーズが出て来ているためか、「保有している書籍の電子化サービス」が出て来ている事に最近気づいた。今はまだ道半ばだが、既に100冊近くが候補になっており、スキャン出来るように折り目を直して、段ボールに詰めている所である。

これのどこが凄いか。以下に列挙してみようと思う。


・本文が検索可能になる事。

これは強烈。過去読んだ本に出て来るチャート、数表、図表等も簡単に読み出せるようになる。紙のまま保存していたらこうは行かない(検索に多大な時間がかかる)。「バリュー投資について確かめたいな」「テクニカル指標の数式を確認したいな」「イヴェントドリブンで何かネタ欲しい」と言った際に書籍を複数またいで一発で一覧を出せる。本を引っ張り出してみて思うが、自分で言うのも何だが相当な知識を吸収している一方で、仕事でその全てを完全に使っているかと言うとそうでも無く、忘れてしまっているとか、活用しないで既に読んだ本が本棚の肥やしにだけなってしまっている、と言う面も少なからずある。これを、吸収した知識の稼働率を上げられると言うか、過去に得た知識をフル活用して実際の仕事や生活に役立てる事が出来るのである。

アウトプット、生産性は新規に本を読むだけでなく、読んだ本を実際の仕事や生活に活用出来る率を引き上げる事でも達成されるので、生産性増大に大きく寄与しそうである。しかも既に読んだ本ばかりなので、検索すればその本の全体の内容も鮮明に思い出せる。より深く書籍を理解し、活用する事が可能になる。


・既読の本を、全てiPhoneで携帯出来る。

これも非常に便利。特に威力を発揮するのが、例えば経済史年表、金融用語辞典、経済統計辞典等の辞書的な本、後は仕事の外では料理の本。顕著に効果が実感出来そうである。

ちょっと気になった時に、ぱっと調べられる。この気軽さはとても重要な気がする。

また料理の本だと、例えばスーパーに立ち寄って晩ご飯の献立どうしよう、みたいな際にiPhoneから料理書籍データベースを当たりながら買い物が出来る。昨今クックパッドがあるのでこう言うwebを見れば良いではないかと思われるかも知れないが、筆者の場合マクロビオティックをしているため、そう言うレシピはやはり自身が過去購入した料理の本が一番充実している。「過去作ったものがある、自分仕様の料理本を検索出来る」と言うのは非常に重要である。


・未読の分野、これから勉強するべき分野も明確化する。

既読の書籍を全部電子化してしまうと、家の物理的な本棚に残っているのは未読の本である。筆者の場合、興味深い、勉強の価値がある、と思うとどんどんamazonで書籍を買ってしまう傾向にあるので、これが結構沢山ある事に今回の整理をしていて恥ずかしながら実感させられた。勉強出来る事は常に沢山あるんだなーと言う事を実感出来る。


・物理的な本棚スペースの節約になる。

これは筆者のように書籍が充満している人間にとっては非常に重要である。本棚のスペースにも家賃を払っているのだ。筆者の場合、本棚用に小さな部屋を1部屋確保している。これが今後探す物件では無くて済むとか、もっと小さなスペースで良いとなると、住む場所にもよるが多分家賃で月に万円単位で節約になる。モノは余り多く持たない方がシンプルで良い面もある。

・・・こんな訳で、「生活面での小さな革命」が静かながら次々と進んでいる。運動するとか、寝る前瞑想するとか、食生活はちゃんとするとか、ハンケチとちり紙を玄関の脇に置いといて毎日ちゃんと持参するとか(恥ずかしながら、過去においてはハンケチやちり紙を外出時に忘れている事が頻繁にあった。お母さんに「ハンカチとちり紙持ったの!?」とせっつかれる小学生レベルで書くのも恥ずかしいが事実である)、上記の通り書籍の保管スペース削減と知識活用稼働率を改善するとか。一つ一つは小さな事だが、習慣はアセットである。積み重なると結構大きな事になりそうな気もしていて、大変に楽しみである。


○書籍の内容や出版のありかたにも影響をもたらす?

また、ふと思ったのが、「今後電子書籍が普及するに伴って、電子媒体ならではの書籍と言うのが出て来るようになって、売れ行き動向に変化が出るのではないか」と言う事である。

例えば、料理のレシピなんかだと、最初からPCで検索されてiPadやiPhone等でも見られる事を前提とした書籍の出版等が考えられる。料理の食材、所要時間、予算、料理の種類、味の種類(こってり、あっさり等)等等から自分向きの料理を検索出来るような書籍を出したら、多分主婦や主夫に好評だろう。また、文章で説明すると難しい部分は画像で解説する事も可能である。

経済書も、今まではただの経済史年表なんて買うのは筆者のような経済マニア位だったかも知れない。しかし検索可能になれば今後は受験生、経済分野専攻の大学生等を中心に「ただの年表」を買う購買者が増える可能性もある。

更には年表箇所をクリックすると、そのエピソードに関する詳細や関連図表、写真を読む事が出来たり、大きな出来事については「まんが日本の/世界の歴史」だとか「大河ドラマ」のまんがや映像シーンも見る事が出来る、と言ったテキストが出来たら面白いだろう。大人も子供も、勉強しているのかエンタテイメントを楽しんでいるのかよく分からない状態で楽しんで勉強出来るだろう。まんがの歴史本や大河ドラマのコンテンツを既に保有している出版社やTV局は、こう言う形で既存コンテンツを二次利用して儲ける事も考えるのも面白いだろう。銘柄で言えば、まんが歴史シリーズでは学研9470、TV局でコンテンツ開発、保有、二次利用等に積極的なのはフジメディアホールディングス4676等である。

歴史の受験問題や大学の試験等も、例えば手持ちのiPadやスマートフォンに指定の経済史年表ソフトウェアを当日インストール可能にさせて、暗記力を競うのではなく検索して活用する能力を問うような受験問題に変える事も可能かも知れない。勿論制限時間内に解くには素早く検索出来るようにある程度覚えている事も重要になる。暗記力オンリーでなく、より理解力や断片的な情報を統合出来るかどうかのトータル勝負にできる。現代においては、暗記力よりもこう言う能力の方が重要だろう。

小説等だと、あるシーンを主役Aの観点から読んだりヒロインBの観点から読んだり上下二分割でAとBの心中描写を同時に読んだり、あるいは話の本筋では目立たない脇役の名前やセリフを本筋の文章でクリックするとその脇役の心中描写も掴みながら寄り道して読む、と言った事を読者の好みでクリック一つで自由に出来る小説、と言うのも例えばあり得るように思う。

あるいは表情や映像とリンクしたような、小説なんだか映像作品なんだかよく分からないメディアミックス的作品も作れるだろう。

もっと商売っけたっぷりなやり方としては、主人公が例えばストーリーの流れ上で海外に飛んだら、同時に旅行会社のタイアップ広告が出て来るとか、主人公の付けるアクセサリや飲む酒等が楽天4755とか通販会社とタイアップで購入サイトに別ウィンドウで飛べるとか、商魂逞しくて俗っぽいが、広告収入も取れて、消費者的にもアリなアイデアは色々考えられる。フジメディアHD4676がセシールを買ったりしているのは最終的にはこう言う事を垂直統合でやりたいからでもあろうし、楽天がTBSに一時期ご執心だったのも、こう言う事を楽天側主導でやりたかったからであろう。こうなると、作り手側の難易度や手間は相当上がる気もするが、こう言う作品が出来たら筆者であればぜひ読んでみたいと言うか体感してみたい。

つまり、従来の「読む」に加えて、「検索する」「携帯する」「画面構成等も自由に変えられる」「クリックして飛んだり戻ったり出来る」「映像や画像を自由に入れたり抜いたり出来る」と言う機能に重点を置いた、書籍と言うか上記まで行くともはやメディアミックスの新メディア作品だが、こう言うのが出て来うるのではないか、と言う事である。個人的に、出版業界が電子書籍化を脅威ではなくチャンスと考えてブレークスルーする方策は、こう言う感じになるのではないかと思う。こう言うコンテンツが出て来たらいいなあとも思う。


○銘柄に落とすとどうなる?

こう言う散漫な雑談を銘柄に落とす事を試みると、ある程度以上時価総額や流動性のある銘柄としては、7911凸版、7912大日本印刷等だろうか。紙の印刷による書籍出版はどのみちしんどい訳であるから、こう言った企業が既存の出版事業の業績にブレークスルーがあるとしたら、こう言う分野の電子コンテンツ開発流通のコンサルやコンテンツ販売に着手する事だろう。

また、上記の通り、テレビでコンテンツを持って居てメディアミックスや二次利用、通販とのコラボ等も見据えた状態になっているのは4676フジメディアHD。ネット通販企業としては楽天4755等。出版社では、9477角川HDや9470学研等。もっと低流動性の中小型株もありだと言う事なら他にも関連企業は色々あるだろう。

電子書籍については、こんな感じで色々な議論や業界変化があり得る、思考/リサーチする価値のある分野だと思う。例えば・・・

・印刷コストが無くなると言う議論。インディーズ的な出版、部数が出ないニッチ分野の出版、紙媒体にする前のサンプルマーケティング的出版(電子が売れたら紙にして出版する)も可能になる。また、印刷コストが無くなる事で、出版業界が資本力命、ニッパントーハンと言った卸の制圧が重要な業界から、低参入障壁で優良コンテンツの有無が勝負になるセクターに変化する可能性がある。意外な中小企業、ベンチャー企業が台頭する可能性がある。

・上記のような、「コンテンツ自体をPCやスマートフォンやiPad特有のものにイノベーションする事による新商品、新サービス、新たな既存コンテンツの二次利用法の出現。これを提供出来る企業の台頭」と言った議論。

・コピー防止や著作権保護といったセキュリティに関する議論。これへのソリューションをきちんと提供出来る会社は伸びるだろうし、関連銘柄を探してみようかと言う議論。

・セキュリティに加えて、課金インフラをキチンと確立した会社が勝つと言う議論例えばこの面で行くと、現状は電子書籍分野についてはgoogleよりamazonやAppleの方が優位に立っているように筆者は思う。課金がちゃんと出来ていないと、コンテンツを保有する側(出版社、作家等)がそのチャネル、インフラには良いコンテンツを提供しないからである。


○AppleとAmazonの戦いは非常に面白いだろう。

AppleとAmazonの戦いは非常に面白いだろう。特にAppleのiTunesのインフラで電子書籍ダウンロードが可能になり、自然に音楽等と同様課金され、iPhoneやiPadで読めて、ユーザからすれば音楽やPodcast等の他のエンタメコンテンツと一括、一本で電子書籍の管理が出来ます、と言うのは非常に美しいものがあるようにも思う。

一方でAmazonも「書籍だったらまずamazonに行って、ワンクリックで購入」と言う消費者の流れが確立している強みが有る。これをいかにして既存の紙媒体とのカニバリゼーションを防ぎながら電子書籍販売に繋げられるかと言う話になるだろう。

りんご対じゃんぐる、あぽーとamazonでどっちがより優位かと言う所で行くと、まだ甲乙付け難いしコンセンサスが確立していないようにも思う(こう言う時こそ投資のチャンスなんですが)。筆者的個人的にはapple有利と思う。ヘッジファンド的にペアトレアイデアに落とすならAppleロングのAmazonショートである。

既にAmazonが書籍でブランドを確立していると言う面ではamazonに強みがある一方で、amazonは既存書籍販売とのカニバリも考えないといけない。単純に消費者から見て、書籍代に使う財布の上限は一緒の場合は、電子が売れても紙の方が売れない、と言う事になればamazonの電子書籍参入による果実は案外小さい事になる。また、紙媒体で大きなシェアを持っていて既に大きな取引が有る大手出版社の意向も汲まないといけないだろう。電子のほうであまり無茶をやって大手出版社の離反を招き、紙の書籍のベストセラーの供給を減らされたり止められたりすると、amazonからすると結構面倒な面もありそうである。とは言え、既にamazonの書店業界内シェアが相応に高いため、amazonの方が大手出版社より交渉力が強い場合もあり得る。この辺は微妙な力関係となりそうではある。調査や取材の際はこの辺を確認に行く事になる。

一方でappleの場合、書籍としてのブランドは無い一方で、既に確立しているiTunesでもってコンテンツを購入すると共に、音楽やPodcast等他のエンタメコンテンツと一括で一元管理がユーザ側で出来て、iPhoneやiPadで閲覧、と言う消費者ベースを転用出来る強みがある。消費者から見てクレジットカードの払い先も、全てのエンタメコンテンツの管理もiTunesで一元管理出来るので、便利でもある。

また電子書籍をiTunes経由で販売する場合、Appleにとっては単純に業績にプラスされるだけのため、amazonとは異なり既存書籍媒体とのカニバリ、兼ね合い等を考える必要もない。既存の大手出版社のご機嫌伺いをする必要も(キラーコンテンツを出版社に出して貰うためにある程度は必要かも知れないが)、以下に述べるように必ずしもない。結果として、大胆な施策に出られ得ると言う強みもあるように思う。

例えば既存大手出版社のiTunes経由での電子書籍販売への対応が遅い場合でも、Appleは打ちてがある。例えば、新興系出版社でそれなりに消費者からの支持の厚いキラーコンテンツをちゃんと持っている所(例:日本なら、低流動性銘柄で機関投資家でやれる銘柄ではないが幻冬社7843等)と提携して電子書籍販売を確立し、ユーザがそれに付いて来て、新興系出版社が電子出版で大きく業績を伸ばす事も可能になる。結果、「消費者が、iTunesで電子書籍を買ってiPadやiPhoneで読むと言う読書習慣」が完全に確立してしまい、既存大手出版社(日本で言えば非上場の講談社等)も追随せざるを得なくなる。こう言う作戦が可能なのである。

出版業界は国にもよろうがそんなに寡占度は高くないと思うので、出版社に交渉に当たれば、「業界内で先んじて、抜け駆けでAppleと提携をする新興出版社」はあるはずである。言ってみればまあ、昔の石油業界のOPEC内での抜け駆け増産みたいなもんである。

今はOPEC内の結束が堅いんだけど、昔はアメリカとかも主要産油国だったためOPEC自体の交渉力もそんなに無かったし、OPEC内の利害も一様ではなかった。結果として、産油国全体で見れば減産するのがベストソリューションでも、産油国個々のミクロの利害を考えると抜け駆け増産する方が儲かる、と言う状況があった。インテリめに話せばゲーム理論をベースにしてますとか言えるが、個々の利害を考えれば普通に分かる議論である。

ちなみに金融屋の真骨頂は、こう言う「こうなったら誰が損して誰が得する。こう言うポリティクスや経済的損得が働いている。だから誰はこう動くだろうし彼はああ動くだろう。」と言うそろばん勘定にある。品はあるが理論倒れ過ぎる学者に足りないのはこの思考特性と言うかスキルであるし、品はないが儲けるのが上手いストリートスマートな同業者はこの辺が大変に発達している。まあ、悪用するとえげつないし大変に品のない思考特性ではあるし、そうであるが故にえげつなくて品のない人間が比較的少なくないのが金融業界であるようにも思われるのだが、まあそこはそこ、ここはここである。筆者の場合、年齢と共にこの辺のバランスがようやっと確保されて来たように思う。ナイーブな筆者はここの振幅で随分悩んだものだ(えげつなくなり過ぎたり、品の良さを求め過ぎたりと言った具合)。別に人間性まで品性下劣になる必要はないし、人生は金銭や政治の損得ではない。一方でマネーや産業の分析の際は自然と「誰が損して誰が得する」のフレームワークが働いて良いし、それで出来る社会や他人への貢献もある。バランス取るのに何年かかってるんですかと言うツッコミは、まあ「察しと思いやり」で止めておいて欲しい。筆者は晩器大成、ああ間違った、もとい、大器晩成なのだ、たぶん(村上春樹調をパクらせて頂いた)。いやもしかして。ああそうだったらいいな。どうなんだろう?爆。まあこれは冗談で、別に大成しようがしまいが筆者にはどうでも良い事である。日々その瞬間が充実している事。その先に充実した未来も有る事。それこそが大切である。

まあいいや、雑談もたけなわなので話を戻すと、出版業界も、昔のOPEC的な産業構造なのではなかろうか、と言う事である。以前も書いたように思うが、多業種を見た事のあるジェネラリストの強みは、こうやって全く違う産業同士の業界構造を比較したり、当てはめてみたり出来る事である。セルサイドは別かも知れないが、バイサイドアナリストはジェネラリストの時代だと筆者は信じている。雇用主がこれに理解を示すかは別の議論ではあるが・爆。。。

ああ、また脱線してしまった。もといアナリスト業界の内輪トークから話をもとに戻すと、Apple側としては、こう言った状況を活用する戦略も可能なのである。

言ってみれば、既存の音楽コンテンツでのiTunes顧客基盤を転用して電子書籍業界に参入し、電子書籍に後ろ向きな動きの遅い大手出版社は無視して、提携に乗って来る新興系出版社にwin-winの提携事案を提供する事を突破口にしてマス消費者の支持を確保する。これでもって既存大手出版社の外堀を埋めて、気づいたら大勢がApple優位で固まっていて、天下分け目の電子書籍業界版「関ヶ原の戦い」はAppleの大勝利。こう言う動き方が出来得ると言う事である。(いや、外堀を埋めて勝ったのは関ヶ原の戦いじゃなくて大阪冬の陣→夏の陣でしょう、関ヶ原の戦いは小早川家の寝返りと風水上の地勢面の有利さ等がポイントでしょう、等と言うのも勿論尤もではあるのだが、「察しと思いやり」で止しておいて欲しい。)

Appleのアメリカの経営陣がこう言う事を考えて居るかどうかは知らないが、筆者があぽーの経営企画か何かだったらこう言う兵法と言うか戦略を考案するだろう。Appleの場合、既存の出版社との関係が無いのが弱みである一方で、開き直れば上記のような、飛び道具的と言うか、柔軟で機動性のある戦略を展開し易い面がありそうである。

電子書籍だけでなく、Apple TVで想定されている映像コンテンツでも、Appleは概ねこう言う戦略なのではないだろうか(とは言え、映画やTVの映像コンテンツの場合は出版業界よりコンテンツホルダーの寡占が進んでいるようにも思うので、映像の方が攻略の難易度はより高くなりそうである)。

サプライチェーンの最終段階で実際に財布からお金を落としてくれる消費者の支持を掴む。これが何より重要。そしてそれを可能にするコンテンツホルダーの協力体制を確保する。既存大手は中々落としづらいだろうから、コンテンツホルダー側の業界構造も計算しながらまずは新興勢、新しい技術やコンテンツ配信手法による業績拡大に関心のありそうな所とwin-winの状況を作る事で確保する。これが出来れば後は保守的なコンテンツ保有者大手も追随して来るしかなくなる。Appleの経営企画やマーケティング担当者は、大変にエキサイティングな局面にあるのではないだろうか。

9月初頭のAppleの展示会が行われてから株価の調子も良い。上記のような可能性がストレッチ一杯に評価されてアポー株$400!と言う辺りまで評価されるような、もうひとビッグウェーブがアポーにはあっておかしくない気もする。

そんな訳で日本株じゃないのがまあ、今やはかなくもせつなくもニッチ職種になった日本株の(もと)分析者としてはアレなんだが、上記のような状況を考えると、あぽー>あまぞん>ぐーぐる、と言うのが電子書籍回りの有利不利の現時点での順位のような気が、筆者的にはしている。上記は思考実験程度に過ぎないし、現状だと色々な考え方がある。例えば、iPhoneやiPadでもKindleやバーンズアンドノーブルの電子書籍サービスが使えるようになっているから、AppleはiPhoneやiPadは沢山売れるかも知れないけど、電子書籍のコンテンツ販売自体はAppleは音楽のように覇権を取る事は出来ないんじゃないか、と言った議論もwebでちょっと検索しただけでも出て来た。皆様も、色々考えてみると銘柄発掘に繋がるかも知れないし、面白いのではないだろうか。

昔はこう言う投資テーマについて、半分ハッタリや大風呂敷もコミの大上段大型レポートが証券会社から執筆されて話題になったし、こう言うのこそがアナリストの真骨頂と言った面もあったように思うものだが、最近こう言うのもめっきり減ったように思う。

バイサイドも誰もがこう言う息が長いが今日明日のリターンに必ずしも繋がらない投資テーマに、リサーチの時間を割いている訳では、必ずしもない。ヘッジファンドはもっと非常に短期の値動きを追わないといけない面もあるし、大手のロングオンリーの機関投資家がこう言う調査を本格的にちゃんとやっていて、大々的にポジションを取っているかと言うと、これはこれで案外そうでもない面もあるのが実際である。日々の相場や決算で手一杯の証券会社や機関投資家も案外フォローし切れていない面もある訳である。そんな訳で、むしろ個人投資家の方が腰を据えて調べられる面もあるのではないかとも思う訳である。

ちなみに、筆者が職務に就いていたら、この手のメモは外に出す事は無い可能性の方が高い。筆者のブログ内で為される銘柄や投資アイデアに対するメモがそんなに凄く価値があるとは思わない(まあ、根本的には雑談である)が、職務に就いていた場合は少なくとも自分の興味の方向や手札の一部についてのヒントを間違いなく競合に与えてしまう事になるからである。仕事をしていた頃は、この辺もあって個別銘柄について書き過ぎるのは避けるようにしていたように思う。今は張るポジションも利害も無く、時間はあるのでたまたま書いている。読者からの反応が貰える事も時折あり、単純にそれが嬉しいと言う面もある。これも、「誰それはこう言う利害だからこう動く、そこにアービトラージのチャンスが有る」と言う好例なのかも知れない。

さらにちなみにだが、情報と価値についてのアービトラージのチャンスについて付言しておくと、例えば学者が「良いクオリティの研究を世に問うため」と言う利害で非常に面白い知見を無造作に発表している事もたまにあるし、元来価値のある株や不動産を個人的なキャッシュニーズ等の都合からディスカウントで売りに出される事もあるし、バブルの宴はおしまいだからディフェンシブへの乗り換えを推奨すると金融危機の前にセルサイドのストラテジストがズバリ予測して居た当の投資銀行がサブプライムで大損していたりする(普通はセルサイドの言う通りにして大規模な損を回避出来たり大きく儲かったりする事は余り無く、むしろ投資銀行のプロップのポジショントークとしてセルサイドのレポートが出されている匂いが暗にする事も少なからずあるのだが、このストラテジストの場合は例外だった訳である。社内でそのストラテジストの情報価値が、プロップで使う程のものではなく顧客の手数料獲得用見合いの確度の知見、情報だろうとアンダーバリューされ過ぎていたのだろうと推察される。この会社の当時のお偉いはイマイチ相場やリスクに対するセンスが無かった感じは確かにあった。このストラテジストは現在は投資銀行を退職して、自分のヘッジファンドを持っており、従って今現在は彼の意見をリアルタイムで読む事は出来ない。ストラテジスト本人も、顧客向けにレポート書いているより直接資金を集めて運用した方が利益になると自覚したのであろう。ああ、こうして情報価値のミスプライスは一つ修正されてしまった訳である)。こう言うのは俗にいう「道ばたに落ちている1万円札」であり、落ちている時は素直に拾っておこう。

普通は、そのコンテンツの持つ価値に応じたプライシングが為されている(例えば、株や不動産がその価値より安く売ろうとする人は居ないし、確実に儲かる情報は外には出さず自己利益のために活用されるし、確実に儲かる事は無いが情報として販売する価値のあるものは有料記事やレポートとして手数料収入確保のために外部に販売された後に書籍にして大衆からの資金回収が為されたりし、最後には有料課金のための広告程度のダシとして無料で流す情報になったりする、と言った具合に、価値相応の流通が為されている)訳だが、市場の歪み、市場主体毎の利害が全く異なる事から来るアービトラージの機会と言うのは、案外ある訳である。

こんな訳で、市場は「完全に効率的」と言う古典派系経済学者の寝言からは程遠いのが現実である。そこにチャンスはある。おお、何かジョージ・ソロスみたいなかっちょいいセリフで〆てしまった。ちょっと大上段過ぎかな。

、、、おお、私事の雑談が、銘柄の話になり、最後には相場の話になってしまった。
散漫で恐縮だが、ご参考までに。。。本日はこれにて失礼。

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