2010年9月30日木曜日

四季報500本ノック:高配当利回り株が非常に目立つ。

evernoteへの取り込み自体は終わったので、次は銘柄データベースへのタグ付けである。

これがまた、中々の面倒な曲者である。掲題の通り、1社1社、その当時のノート、あとは四季報(こちらはiPhoneに入れてある最新版)を見て行って、どう言った投資テーマなりポイントなりでその銘柄を見れば良いのかをタグ付けして行く訳である。項目は、時価総額別、業種別、内需か外需か(円高恩恵型か円安恩恵型か。マクロビューを入れながらの運用では非常に重要)、果ては主幹事や監査法人が微妙な所か否か等、諸々ある。

そんな訳で結局の所、四季報を逐一見て行く事になり、データベースに入って居る銘柄数がのべ500銘柄以上有るので、題名の通り、500本ノックになる。仕事をしていた時は、四季報の時期になると、ある程度流動性のある銘柄については一通り目を通すのは大切な基本動作・仕事であり、500本ノックではなく概ね1000本ノックになる。昨今、こう言う体育会系な教育手法を取る運用会社もだいぶ減ってしまったようにも思うが、やはり四季報めくりは基本である事を実感する。色々発見がある。

まだ銘柄チェックの序盤だが、この段階で気づいた点について、今日は題名の通りで一点。


○気づいたら、日本株は高配当利回り株で溢れていた。

この点は、少しチェックしているだけで結構目立った。10年ものの国債利回りが概ね1%である事に対して、比較的時価総額や流動性の確保出来る銘柄でも配当利回りが3%、流動性の面で多少犠牲を払って小型株に目をやれば、配当利回り4%とか5%近くある銘柄も散見される。

しかも、その中には「キャッシュフローも比較的安定しているビジネスで、どう見ても減配リスクのなさそうな銘柄」も少なからず見られる。

利回り4%や5%なんて大した事ない、と仰るかたも居るだろう。しかし、ヘッジファンド屋をしていた頃の感覚で行くと、「減配リスクのない4%や5%の配当利回りの株」は、精神的にかなり助かる資金の退避先である。

なぜか。ヘッジファンド屋に求められるのは、「年率二桁リターンをリスクを抑えながら安定して出す事」である事を考えれば、「取り敢えずこれで5%リターン確保」と言った投資先は、心理的な安心感としては非常に優れた資金の退避先のように思うからである。「資金の一部を当座はこう言った”アンパイで利回り5%(税金の議論はここでは除外)を取れる所”で固めておいて、もっと良いネタが出て来た時にそちらに資金をシフトする」と言うのと、「昨今のようなチョッピーで方向感のないマーケットのもとで、ゼロから優良なトレーディングネタを探して10%に到達させる」と言うのでは、心理的な負担感がだいぶ異なるように思うのである。

こう言う相場付きの時期に限って、もの凄いハッスルしてびゅんびゅんトレードしても行ったり来たりで、大変疲れるけれども大して儲からん、と言う事になるケースも多いものである。ああ、何だか筆者がそうだったみたいではないか(そう言う事も大いにあった事は否定しません、ハイ・爆)。日銭稼ぎのためにトレードを繰り返して、働けど働けど一進一退、となり得る事を考えると、日銭についてはインカムゲインで割り切って、大きな魚(直近の武富士のショートのような・・・結構前から、業種内で”独りアンダーパフォーム”していたので、おおー誰か投げとるな、売り続けてるな、と言う感じがしていたのだが、遂に来たと言う感じ。ああ言うのをショートで仕留めるのは、ヘッジファンド冥利に尽きる話である)を探す事に集中する、と言うのも一法と言う事である。

ジム・クレーマーも最近来配当利回り株推奨はしているし、ソロスも「米国債利回り<米国優良企業の配当利回り、と言った状況は異常だ」と述べている。全部を配当利回り株で固めてしまっては年率二桁リターンは行かないが、精神的に余裕を持ちながら相場に当たる事を考えると、減配リスクが少ない配当利回り株でポートの一部を固めておいて、一方でもっとspeculativeでボルがあり、キャピタルゲインの取れそうな良い投資/トレードアイデア生成に専念する、と言った当面の戦略は、面白みは勿論無いのだが、悪くないだろう。

但し、流動性のない銘柄は、買う時点、売る時点でのマーケットインパクトを考慮すると実質はもっと配当利回りが低くなる、と言った面もあるので、ファンドのサイズと流動性のバランス感、購入時/売却時のマーケットインパクトには要注意である。筆者の大雑把な基準感では、概ね日々の平均出来高の3割以内の関与で10営業日までに希望する分量だけ購入/売却出来る、位の銘柄だったら、発注時にインパクトをかけないように気をつけつつ、ちょこちょことこの手の銘柄に触手を伸ばすような戦略を取るのではないかと思う。

また、言うまでもないが、この手の戦略を取る場合は、下方修正や減配等のアクシデントに捕まってしまい、配当利回りを大きく超えるようなキャピタルロスをかましてしまう、と言うのが一番の「良くある失敗例」である。こう言う事にならないように、業績やキャッシュフローに安定感のある銘柄に的を絞るように気をつけるべきである点も付記しておく。

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