2010年11月5日金曜日

シンガポールレポートその2:不動産屋の活用法。

お次は、シンガポール移住時の不動産やの活用法を幾らか書いておく。留意点は、概ね以下である。


○property guruで情報入手。


上記サイトで、条件を入力すると、色々物件が出て来る。

表示価格は必ずしも正確ではなく、あるものはオーナーのリクエスト価格(値下げ可能)だったり、あるものは「この位の値下げは可能だろう」と言う不動産エージェントの推測も入れた上での「Guide Price」だったり(これだと、思ったより家賃が高くなる可能性もある)する。また、検索に引っかかるように、わざと安めの価格を入れて「釣り」に入っているようなものも中にはあるようだ。しかし、トータルに考えると、どこらへんの地区にどう言う物件があって、大体幾らなのか、と言う大雑把な所を掴むには非常に優れている。


○不動産エージェントの選択。

後は、property guruのウェブサイトや、知人からの紹介で不動産エージェントを活用して、筆者のように「不動産物件ツアー」を組んで貰う事になる。この際の注意点は、以下の通りである。

・「Exclusiveにしろ」とひつこいエージェントは使わない。

Exclusiveとは、他の不動産仲介業者を使わないで、自分とだけ物件見学ツアーを組んで、自分と必ず契約を決めて欲しい、と言う事である。当たり前だが、これだと主導権を不動産仲介業者に握られてしまうし、この不動産仲介業者が選択眼やこちらのニーズを把握するセンスに欠けていて、検討はずれのモノばかり持って来た場合には対応不能になってしまう。サクッと断るべきである。断っても色々理由をつけてひつこくExclusiveを請求して来る不動産エージェントは使わない方がいい。サービスに自信のあるエージェントなら、断っても「分かりました、では限られた日程、与えられた時間でベストの物件をサーチしましょう」と言って淡々と事を進めてくれる。


・不動産エージェントの仕組みについて。

不動産のエージェントは、大家側、賃貸物件探す側の双方に付いている。この制度を知っておく事は重要である。つまり、読者が不動産を探す際は、賃貸物件を探す側のエージェントにコンタクトしていると言う事であり、純粋に物件検索側の都合でもってエージェントには動いて貰って然るべきで有ると言う事である。従って、これであるにも関わらず大家の都合等を先に持ち出すエージェントを使う必要はない。

また、不動産エージェントの多くは、ほぼフルコミッションで動いているようである。つまり、会社名は同じでも、エージェントの多くは個人商店として個人で動いていると言う事であり、社内で競合している例も少なくないと言う事である。この点を理解しておくと、エージェントの行動を読み易い面もあるので覚えておくと良い。


・日本人のエージェントが必ずしも良いとは限らない。

筆者の場合、日本人のエージェントで、言語は日本語だが、言語が噛み合っていないエージェントに遭遇した経緯が有る。Exclusiveをこっぴどくひつこく強要され(しかもエージェントの収益的にExclusiveでないと困るとか、ダブルブッキングすると大家が怒るとか、向こうの理由ばっかりで、肝心の物件の提案がない)、その上さっぱりこちらのニーズを把握して居なかった。「筆者の勤務地であるオフィス街へのアクセスは良いが、一方で静かでそれなりに自然があって、予算も一定の範囲内なんて無理だ、郊外で自然の多い所かオフィス街近辺で自然や静かな環境は諦めるかにしろ」「シンガポールは1−2日で物件が捌けるから、事前に見学リストは作れない」と言った認識をエージェントに持たれてしまい、何だか筆者の方が「無茶な要求を出す悪者」みたいにされてしまった。これはプロフェッショナルとしてどうかと思ったので、勿論丁重に、しかしロハス系の筆者にしては結構強い言葉でもってお断りした。

結局、勤務地から4-5km圏内、毎朝タクシー勤務しても過大な負担にはならず帰宅は地下鉄でドアtoドア30分圏内、ショッピングセンターへのアクセスも良く、地下鉄の駅も近く、ぎりぎり予算の範囲内で、築年数は10年位経っていて多少古いもののこぎれいな範疇で、かつ大通りをちょっとはずれて一本路地を入った所にあるような静かで樹々や緑も確保されているような物件が見つかった。ほーら見つかったじゃないのアナタ、と言う感じである。property guruを検索していた所、この手の「Peace&Quiet、交通の便、予算の制約」を満たす物件は、築年数で多少妥協して、ビジネス街の中心地を多少外れた位の立地であれば幾つか散見されたので、その線で探していたのである。シンガポールにも不動産にも素人の筆者以下の提案力しかない仲介業者では、はっきり言って困る。

一方で、最終的に契約を決めたのは、シンガポーリアンである。言語はSinglishのややEnglishに近い版位で所々聞きづらい所もあったが、契約形態や契約書の内容も分かるまで説明してくれたし、物件チョイスのセンスと言うか、ニーズの把握の仕方が洗練されていて良かった。まずメールで小生に質問表を送り、ニーズを把握する。それにマッチしそうな物件をWeb上で候補を10−20物件紹介する。そのうち3物件をピックアップする。最初の物件をベンチマークとして見学し、物件の良かった点と、もっとこうだったら契約に至るのになあと言う点をヒアリングする。でもって2件目からはより細かい条件にフィットしたものを紹介していく。非常にこなれていた。結果、このエージェントで決める事になった。

ただ、日本人エージェントの良さも勿論あり、筆者も日本人のエージェントも活用した。日本の不動産事情とシンガポールのそれの違い等を聞くには、やはり日本人の不動産エージェントの方が長けているように思う。例えば、日本人の不動産エージェントからは、以下のような情報を聞く事が出来た。

–地震が無い事もあり、シンガポールの建築物は日本の物件と比べると安普請のものが多い。また、このような事情から日本の物件よりもシンガポールの物件は質の劣化が激しいので、築年数が同じなら、日本の物件よりシンガポールの物件の方がかなりあちこち劣化していると考えた方が良い。修理も日本より頻繁に出るので注意が必要。更には、シンガポールは暑くて湿度も高いため、古い物件では「ゴキブリ発生リスク」が高まる。この点も注意が必要。

–特に水回りの面で、日本の物件よりもシンガポールの物件の方が実力差が出易い。ひどいものになると、排水口が設計ミスだか建築ミスだかで間違ってコンクリートで塞がれてしまっていてまともに排水が流れないと言った事態が生じているような、日本人の感覚では理解に苦しむような物件さえある。プールやジム等の設備の豪華さだけで判断しない方が良い。

–HDB(政府の公団住宅)は、家賃は安いが全体に管理が行き届いて居ない事が多い。管理人が不在で、清掃業者も政府から時折派遣されるがコスト削減のため回数も少なくて適当の事も多い。管理人が居ないと言うと言う事は、苦情の統一された言い先、窓口が無いと言う事も意味する。人種のるつぼのシンガポールだと、近所が煩いとか文化や常識の違いによるコンフリクトも色々予想されるし、苦情の言い先が無いと言うのは結構ハードである。更には、水回りの面でも、水の節約のためにシャワーの勢いが弱いとか、問題が有る事も多い。単にプールやジムが無い、と言った装飾以上の差がコンドミニアムとHDBにはある。家賃の差がそんなにないならコンドミニアムをお勧めするし、ある程度予算があるならコンドミニアムを推奨する。

・・・等等。こう言った、「日本とシンガポールの物件事情の違い」にフォーカスした情報をくれるのは、やはり日本人の不動産エージェントである。


○物件の決め方。

先のブログでも述べたが、シンガポールの賃貸物件の回転は恐ろしく早い。優良物件は出して1−2日、高級物件でも1週間もあればDoneするそうだ。なので、優良な物件と巡り会えて契約出来るかは、かなり運にもよる所がある。

こう言った中で物件を「焦らず」「しかし適時のタイミングで」決めるには、多分こんな感じだろう(筆者はこんな感じで決めた)。

–まず、property guruを眺めながら自身の物件ニーズを的確にしておく。場所、立地、広さ、設備、築年数、予算等等。筆者の場合、朝が早いので職場から4-5km圏内で、交通の便が良く、タクシーが捕まえ易い場所である必要があった。一方で、人ごみは苦手なので、静かである程度自然がある、と言った場所が良かった。シェアでなく一人暮らしが良く、バスタブは必ず付いていて欲しかった(シンガポールの物件では、特に一人暮らし用物件だとシャワールームだけの物件が、特に新しい物件では多い)。一方で家賃の制約もあるので、築年数は多少妥協して、築15年位までなら良しとして、プールやジム等のファシリティには余り拘らない事にした。

–また、property guruに何週間も掲載されっぱなしの物件は問題物件の事が多いので避ける事。良い物件は1−2日で捌けるのに、ずっと捌けないと言うのは、何か問題があると言うサインである。

–シンガポールで物件を探す前に、エージェントに「何件か物件を挙げて、現時点での内覧ツアーの予定を立てて欲しい」と頼んでおく。ここで「Exclusiveにしないと計画立ててやんない」「シンガポールでは1−2日で物件が捌けるから現時点では計画を立てるのは無理」と言った態度のエージェントは即切る事。内覧ツアーのモデルプランを見ない事には、相手が自分のニーズを掴んでいるか分からない。「1−2日で物件が捌けるにしても、現時点でのプラン」と言うのは見せて貰う必要がある。物件が捌けてしまったら類似物件を補充すれば良いから、とりあえず数件列挙して欲しい、と告げておくとよい。

–内覧の際は、最初の2−3件はベンチマークとして割り切る。例えば、最初の1件でプールとジャグジーとジムが付いていてわーおすごい、と思ってしまうかも知れないが、シンガポールのコンドミニアムには大概その位は付いている。感覚として、数件程度は実際に見て比較して初めて、物件クオリティと価格の関係と言うか、「各々の物件に対する値ごろ感」のようなものがだんだん掴めて来ると思う。

–価格交渉をする事。先方の言い値家賃は交渉のスタート地点でしかなく、交渉するだけで1割位、上手くやれば2割位引けるかも知れない。また、家具を付けて欲しいと言った交渉も可能である。全ては大家側の気分と都合次第である。

–どうしようか迷う位の物件は気にせず焦らず流す事。賃貸物件の流動性は極めて高い。相当無茶苦茶な条件であれば話は別だが、それなりに現実的な希望を持っている場合は、幾らか待ったり探したりすれば、頭に電気がぴかーっと光って「これだ!」と手を叩きたくなるような物件は大体出て来る。

–そして、物件クオリティ的にも、価格交渉面でも、「これだ!」とどんぴしゃで来るのがあったら、速攻で決めに入る事。まごまごしていてはいけない。特に物件内覧ピークの週末をまたぐとまともな物件は大体決まってしまう。注意が必要である。


○契約履行の進め方。

日本人エージェントの場合は、日本語での説明が入るし、契約書や領収書の類いも日本人的常識に沿って準備されるので契約履行面での不安は少ないと思う。

シンガポーリアンのエージェントを使った場合は、英語の契約書面なので理解が行くまで必ず何度でも内容を聞く事。またお金の支払が伴う際には、例えば仮押さえの際に払うDepositについては契約が流れた際にちゃんと返金してくれるのかの確認をする事、また必ずオフィシャルな領収書を出して貰う事等に留意するべきである。


・・・駆け足で説明したが、とりあえずこんな感じだろうか。何らかの参考になれば幸いである。

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