2010年12月30日木曜日

書評:愛の話 幸福の話

愛の話 幸福の話 [単行本]


・・・色々書こうと思ったが、細かい話は省略。47件カスタマーレビューが入って星5つと言うAmazon評価に間違いはない。

まずもうのっけから、スタートからして違う。

「今、この世に欠けているもの。それは愛です。・・・しかし、世界中を本当の愛で満たせば、まだ軌道修正できます。荒廃したこの世も、そして悩み苦しむあなたの心も。人が人を愛する意味を一緒に考えましょう。」

こんな文章から始まる。言葉の一つ一つのありようが、何と言うか、美しいのだ。あと写真もむちゃくちゃ美しい。これは惚れてしまう。

そして、美しいだけでなく、深く広い人生経験に裏打ちされた説得力がある。例えば、氏が若かった頃、人生色々あってどん底で、日々の食事代等のお金も無かったような時も、「常に豊かに生きるとはどういう事かを忘れないようにして」フランス語を学び、文学や芸術に触れるようにして、更には「後日に彼らと並び立つ事になった時、貸し借りがあると美しくないから」「彼らにも夢を与えたいから」三島由紀夫等の著名人との交流がありながら、彼らから一切借金をしなかったそうだ。なんと言うかすごい。

さらに、氏の文章は、経験に裏付けされており他人の引用等でなく完全に自身の語彙で説明されている上、定義と結論、生活への実際の適用法等が端的にズバッと本質を突いている。以下に、筆者が特に気に入っているものをほんの一部分抜粋する。


(抜粋)

・恋とは自分本位なものなのです。自分の欲望を満足させるために相手が必要なだけなのです。

・愛は恋から始まります。しかし恋と違うのは、ものごとすべてが自分本位から相手本意になれることです。

・恋は消えて行くもの。愛は残るもの。

・私のことをかまってよ、心配してよ。気を使ってよ。そんな女は、ヤツデの葉っぱに水あめをつけたみたいにベターッと重いのです。愛のルールの基本は、いかに相手に心配をかけないか。愛しあっている相手だからといって、土足で踏み込んではいけません。けじめある関係の中でこそ愛は育つのです。

・どんな時も人が忘れてはならないのが、自分への恥と誇りです。誇りが人をまっすぐ立たせ、心を豊かにしてくれるのです。・・・井戸を枯らしてなるものかという自分に対するいたわりと優しさ、慈しみに裏打ちされた誇りと意地があれば、ひび割れた底は水で満たされ、どんどん人に与えようと言う気持ちになるのです。そして愛のパワーは溢れ出すのです。

・30歳を過ぎて、若さも美しさもなくなった時、ガラクタにならないように自分を磨く事。それが永遠の愛を手に入れ、運命の人と呼べる人に出会う方法です。

・子供ができれば食事も賑やかで楽しい。でも人数が増えた分、後片付けは大変になるし、病気だケガだと心配の種も増えるのです。幸せと同じだけ、面倒が増えるのが結婚と言うもの。毎日がディズニーランドみたいに楽しいと思っていたら大間違いです。

・戦前のまでの日本人は、過程に文化を取り入れるのが上手でした。正月が来たら門松を飾り・・・2月は豆まき、3月は雛まつり、4月は花見。一年中季節の行事があり、そのたびに家の中がパッと華やいで、非日常が訪れる。家族全員が息抜き出来、少々いがみあっていても仲良くやってこられたのです。

(注:これは細かい事のように思えるかも知れないが、筆者的に目から鱗と言うか、反省させられる面があった。仕事、効率化、合理性、と言った事柄にかまけて、こう言うイヴェントをあまり重要視していなかったからである。)

・エロと色気は違います。見える部分を繕って勝負をかけても、男はいとも簡単に見抜きます。

・私たちに必要なのは、「美しく生きる」ことなのです。

・すべてのものには波動があります。美しいと感じるものはいい波動を、嫌悪感を与えるものは悪い波動を出しています。部屋に花を飾り、静かな音楽を流し、美しいインテリアに囲まれて暮らしていれば、その波動で人は勝手に美しくなります。美しさを手に入れるのは実は簡単なことなのです。

・そもそも私たち人間をつくっているのは・・・つまりエネルギー体なのです。キリストやお釈迦様や薬師如来もまたエネルギー体です。ただし、清らかで、温かで、美しくて、厳しくて、強く、思いやりがある、人間の理想像である純度の高いエネルギー体。私たちはそう言ったエネルギー体になることを、目指してこの世に修行に来ているのです。

・この世は、芸能界も、会社も、サークルも、幼稚園のPTAも、成分はみんな同じ。悪意、ねたみ、そねみ、ひがみでできています。それを知っているだけで人間関係はとてもラクになります。

・苦労が絶えない、試練の連続だ、そう言う人は魂の上級試験を受けさせられていると思えば良いのです。・・・自分が自分を育てる親であり、師であり、子でも弟子でもあるのだと思ってください。すると自分を信じ愛する力もわいてきます。

・人間が無事に一生を終えるための5つの条件をお教えしましょう。1、色情に狂わない事。2、口から入れるものに気をつける事。3、金銭感覚を失わない事。4、約束ごとを守る事。5、対人関係は腹6分でつきあう事。

(抜粋ここまで)


・・・等等。こう言う、有り難い言葉が次々に目白押しである。口触りの良い上っつらだけのポジティブシンキングではなく、厳しい内容、達観した内容も包含して本当の意味で地に足の付いたポジティブな内容である。

昨今の大人で、こう言う人生における大切な事を、他人の受け売りではなく、自身の人生経験や圧倒的な内省を通じて、ビシっと端的に述べられる人は大変に珍しい。元来、「大人」とは皆この位成熟している人を指すものだ。筆者も、美輪明宏のような大人になり、シニアになりたいなと思った。芸術等にやたら詳しくて、ボーイフレンドが沢山居て、女性の服装をして、と言う表面的な事じゃなくて(^^;)、生き様として「ちゃんと人生の大切な事を自分の経験に基づいた自分の言葉で、媚びずに説教臭くならずに後の世代に淡々と伝えられる人間」になりたいと言う事だ。

人間、悟りを開けるまで何度も生まれ変わるそうで、浅ましい人間程「人間として生まれ変わった回数が少ない」「ちょっと前までは虫類とかだった」らしい(美輪明宏氏のこの著書でも上記の一例の通りで記載があるし、斉藤一人氏の本でも同様の事が書いてあったように思う)。それで行けば、美輪明宏氏はだいぶ何度も生まれ変わったあとで、かなり「仏様の域に近い」感じがした。だから幾つになっても美しいと言うか、TVの演出と言う事でなく、何となく後光が感じられるのかも知れない。

筆者はこの著書1冊で、すっかり美輪明宏のファンになってしまった。「心に文化と言う名の滋養、ビタミンが必要」と思った際にはお勧めの一冊。美輪明宏氏自身、「世の中の人々の心に、愛と文化と言う滋養を提供する事」をミッションにされているようで、実際に沢山心の滋養を受け取る事が出来る。中古で1円で売っているが、もの凄い割安高リターンのバリュー投資になるだろう。

・・・と言う訳で、「ロハス金融道」の副読本として採用である。

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