2015年12月12日土曜日

「男女関係開始アルゴ」のテンプレートその1:参考書と前準備

皆様こんにちわ。「もう夕方になり辺りも暗くなっていて家に帰って晩御飯の時間なのにお砂場で遊んでいる子供」の感は免れない三十路も佳境の筆者による、久々の投稿である。もはや金融市場の話でもヘッジファンドの話でもシンガポールの話でもないが、これが筆者である。例によりこうした話題を希望の方には全くもって情報価値はないのでその点最初に断っておきたい。

色々考えたのだが、今回は「取り敢えず男女関係の発生については困らなくなる方法」について、同年代の独身メイトの友人に自らの経験を踏まえてアドバイスした内容を多少加筆編集して掲載する事にした。最初に「必読の参考書を紹介した上で前準備を提示」した上で、次に「男の側からの女性と交際を始める際のセオリーを紹介」、最後に「男性側のセオリーを踏まえて女性の側はどう動けば良いのか」を記載しようと思う。出来る限り男女両方に適用可能な形で書ければと思う。

これを掲載してしまうのは、言ってみれば筆者としては「手の内」を明かす事に等しい。これを観た異性には同じ手は使えなくなる訳である。しかし、筆者はもう今後10年20年と同じアルゴリズムを男女市場で回し続けてお砂場で遊び続ける積もりはない。「手放す事で、次に行ける」と感じているので、文章化して公開する次第である。

また、筆者とその周囲の同年代の三十路佳境男女の友人を見ていても痛感するが、「いい歳してまだお砂場で遊んでいる子供問題」、いわゆる晩婚化・非婚化と言うのは最早社会問題化しているように思われる。周囲には、本人はちゃんと魅力的であるにも関わらず、ちょっとしたプレゼンの仕方・男女市場における基本的な型とでも言えるものを踏まえていないが故に男女関係が始まらない、と言った人がわらわらと雨後のたけのこのごとく頻繁に見られる。少しでもこれの改善に貢献できればこれ幸いである。内容は男女の浮かれた話だが、当事者にしてみれば大真面目にして深刻な問題であるからして、大真面目に書いている積もりである。

○参考書と前準備

まずは参考書の紹介と前準備である。
スパルタ婚活塾 水野敬也

まずこの本を今直ぐに読む事である。この本のノウハウだけで結婚に到達するとは思えないが、交際回数は確実に増えるようになる。筆者が以前に書いたブログも参照。


次にこの本を踏まえた前準備である。大雑把に幾つか列挙すると、以下であろうか。全て男女共通である。

・交際はバッチ処理で1人づつ行かないで、同時に複数を処理・攻略に行く事。

最初に最も重要な事なのでこれを挙げておく。これは特にネット婚活サイトでの異性とのやり取りや合コン、ディナー・デートする位の段階ではそうだ。「一度に大勢とデートするなんて不誠実だ」等と妙に真面目になり過ぎる事で最初のスタートも切れず、「お友達アンパイ君・さん」「いい人だけど異性だと思えない君・さん」へとまっしぐらしてゆくものなのである(筆者の実体験より)。まだ特定の交際相手が居ない段階で複数の異性とデートする事は社交の範疇であり、決して不誠実ではない。ある程度多くの人と接してみないと自分がどう言った異性としっくり来るのかについても見えて来ない。また、最初から一人に絞ってしまわない事で余裕が生まれ、余裕が生まれるとモテる、と言う良い循環になる。先ずはこの好循環を作る事が重要である。一人に絞るのは「この人だ」と言う特定の異性が見つかった段階でと言う事で十分誠実さは維持出来るだろう。

・服装・見た目をちゃんとする。

特に三十路以降であると、男性の基本は、「ジャケット着用」である。「男の魅力スーツ3割り増しの法則」と言うのがあり、女性から見るとスーツを着ている男性は何となくカッコよく見えてしまうものだ。これをカジュアルでも応用するにはジャケット着用である。基本的に、男の場合は「スーツ姿を基点にして、カジュアルに多少崩す、色味を統一する」と言うステップを取ると失敗がないように思う。スーツをカジュアルジャケットとチノパンやきれいめのジーンズにして、ネクタイをストールに変え、眼鏡をサングラスに変え、仕事用のストレートチップの革靴をややオサレ風な革靴に変える。色味を青・ネイビー系、茶系など自分に合いそうな色で統一する等。

また、おしゃれな男性に注意なのが、「凝りすぎても・奇抜過ぎても特に三十路以降は異性から得てして好印象にはならない」点かも知れない。20代のころ個性・奇抜さ重視のおしゃれをして来た人が三十路入りした際や、お金を持っていて派手なブランド服を制限なく買えてしまう人などはこの点注意である。大方の女性が三十路以降の男性に求めるのは「奇抜過ぎず、 清潔感があり、落ち着いた信頼感」辺りの所かと筆者の経験では推察している。服装については筆者的には以下の書籍辺りをお勧めする。

男の休日着こなしの方程式 
森岡 弘 

他に、顔に色気が少し足りないなと思えば顎鬚など生やしてみるのも良いだろう(但し綺麗に手入れして清潔感は維持する事。「清潔感」は重要と言う女性は多い)。眉毛の手入れもお勧めだ。人相がだいぶ変わりしゃきっとする。

髪型はきちんとお金を払ってちょっといい美容院に行って「老け込んでしまわないようにかつ奇抜になり過ぎず清潔感がある範囲でオサレにやってください」等と頼めばいい塩梅にやってくれる。サイドが膨らんでトップが薄い(バーコードのおじさん等が極端な例)だとおじさん臭くなる一方で、サイドを抑えてトップを豊かめにして少し変化を付けられるような髪型にしておくと若く見えるのだが、そうした点も踏まえて美容師さんは上手くやってくれる。

上記服装をして、サングラスをして眉毛を整えて顎鬚など生やして美容院に行けば、特に三十路以降の男子は殆ど元々の顔などイケメンだろうがそうでなかろうが関係ない。凡庸な顔形でもぼちぼちほどほど位にはなる(筆者体験より)。そして多くの女性は案外男に超絶イケメンなど求めていない。ぼちぼちほどほどでちゃんと清潔、位でも体験上十分である。


一方で女性は基本は白のワンピースとか「男から見てかわいい服」が基本である。女同士のおしゃれ競争に走らない事(必ず余計モテなくなり、どつぼにはまる)。

女同士で見てカッコいいオンナ風の服装、拘った凝ったブランド等は男には殆ど効果がない。悲しいかな、そんな凝った服装よりも、男は女性のTシャツ(夏)や白のブラウス(仕事時等)からほのかに透けるブラジャーのライン等にムラムラと萌えているのだ。

そんな男をバカだの物事分かってないだの言うのは簡単だが、結婚や出産は男としなくてはいけない。逆に女性のファッションの細部やブランド等の違いに非常に詳しい男性は、服飾が仕事である場合等は別としてそうでない場合男同士で見ても色々面倒臭そうな男性である場合も少なくないように思う。「各種色々面倒な」男と敢えて付き合いたいなら話は別だが、そうでないなら現実を直視した方がいい。凝ったブランドもの諸々は女子会の時だけ位にして、男性と会うときは白のワンピース他「男目線で清楚でかわいくて、でもブラなどちょっと透けそうで透けないけどやっぱり微妙に透けるかも」位の服装で場に臨むと効果が高い、と覚えておこう。

その他、メイクはすっぴんでも相当美人である場合はノーメイクでも何でも良かろうが、一般の場合は「ナチュラルに見えるメイクでがっつり顔を作りに行く」のが良いだろう(但しくれぐれも厚化粧してる風になってしまわないように注意。男は見るからに厚化粧の女子を余り好まない傾向にある)。女性はメイクで誰でもセクシーで美人になれる。メイクが出来ると言うのは女性が持つ男性にはない武器である。メイクも実力である。筆者はメイクの細部については知識はないが、Amazonで検索すれば必ずメイクのマニュアル本などあるはずである。後付けで学習すれば改善する事はやっておくに越した事はない。


・体型をちゃんとする。

次に男女とも、ジムに行くなどして体型を整える。太りすぎなら痩せる。お菓子食べないようにして炭水化物の量を減らして(但し炭水化物を完全にゼロにするダイエットは身体を壊すのでお勧めしない。ご飯の量を小盛りに減らすだけ、パスタの量を標準一人前100gから50g程度に減らすだけでも効果がある)、ビールやジャンクフードを控えて野菜を多く摂り適度に運動すれば人間痩せるものだ。

逆に痩せすぎなら適切な肉感を持つ所までウエイトを上げる。プロテインを摂りジムで太ももや胸部など大きい筋肉を高めの負荷で3セットを週2-3回筋トレすれば体重は増える。プロテインは乳製品由来等の動物性たんぱくのプロテインだと胃腸を壊す人もいる(痩せ型の人は胃腸がそう強くないから余り量を食べられず体重が増えない、と言う人も多いように思う)ので、その際は大豆由来のソイプロテインの甘味料他なしプレーンのものが胃腸にやさしく、経験上お勧めである。女性でダイエットマニアで痩せすぎな人が居るが、特に三十路佳境に入って来ると男女とも痩せすぎだと皺っぽくと言うか干からび感が出てきてしまい貧相に見えてしまい色気が維持出来ない。適度な肉感を維持する事である。筆者も元々やせ型だったがジムで筋トレして7kg増やしたら、別に精悍でもないし「可もなく不可もなく」程度の体型に改善したに過ぎないが、それでも女性からの引き合いがかなり増えた。「瘦せ過ぎで貧相に見える」というボトルネックが解消されたということなのだろうと思う。

男女とも、ありのままの自分を見て欲しいとか言うのはベッドインして交際も深まって来てからである。三十路も佳境になり年齢も上に行けば行くほど、お付き合いの当初からこうした事を言い出す男女が後を絶たなくなる。退行現象なのか婚活疲れなのか理由は幾つか考えられるが、何にせよ現実を見る必要がある。

最終的には互いに飾らないで自然体の関係に到達するのがゴールではあるが、序盤の段階ではまず異性に「もっと知りたい」と興味を持って貰う必要がある。服装や体型とはプレゼンテーションである。仕事においてパワーポイントで要点がまとまっていなかったりインデントがずれていたりフォントがばらばらだったらその時点で内容以前に「いまいちだな」となってしまう。それと同じで、男女関係を開始させるに当たり服装・見かけの時点からアレな感じでは男女とも内容・中身を見て貰える段階に中々ならない。特に三十路以降になり若さがなくなって来ると、服装や体型がだらしないと大きくビハインドな一方で、この辺をちょっとちゃんとしているだけで元々の顔だのルックスだのがそうイケメン・美女でなくとも挽回できる余地が大いにある。この辺はちゃんとしておく方が良い事を筆者も経験上大いに実感したので、紹介しておきたい。

・男性は「おっさん臭」、女性は「SATC臭」が加齢臭のごとく付いてしまっていないか厳にチェックし、こうした臭いの消臭に務める事。
下準備の最後としてこちらを紹介しておきたい。「おっさん臭」「SATC臭」は三十路以降で男女市場に打って出て行かざるを得ない男女の大敵である。

おっさん臭とは、いまいちなセクハラ系下ネタや自分以外誰も喜ばない各種自慢話、無理して若者に会話を合わせようと若作りするけど実際はやっぱり世代ギャップは否めず微妙な感じになる等を放出するごとに漂ってくるおっさん臭い雰囲気・臭いの事を言う。

「SATC臭」とは、得てして非モテあるいは20代はモテていたがオプションで言う所のタイムディケイが効いて来てTime to maturityが近づきつつあるハイスペ女子が放出してしまいがちな、Sex and the cityの下衆で色気を全く感じない登場人物女性達のようなオーラを指す。

これらの臭いが定着してしまうと、男女としてはもうお終いと言う面がある。「SATC臭」については先のスパルタ婚活塾に記載があるので是非参考にして頂きたい。

また、歳を取って来ると「いい人」ほど自らの「おっさん臭」「SATC臭」 の自虐ギャグで笑いを取る等してしまいがちだが、これは自らを貶める行為なのでもしそう言う心当たりがある場合は直ぐに止める事である。自分が過去何年間セックスしてないか・干からびてるか等開陳して周囲の同情・笑いを誘っている場合ではない。男性も女性も男女のエチケットに気を遣い、定期的に恋愛ものの映画・コメディ等を観る、年齢相応の紳士淑女として適切な話題の引き出しやコミュニケーションの作法を身に着けるなどして男性・女性として終わってしまわないようにケアしてゆく必要がある。


・まとめ

…ほかにも細かい点は色々あるが挙げるときりがないので、以上位を下準備として挙げるに留めておく。

男女とも、服装・メイク・見栄え等を上記の通りに一変し、おっさん臭、SATC臭の消臭に務めると必ず周囲の何割かからは揶揄される。「何頑張っちゃってるの?」など。普段一緒に「どうしていい男/女っていないのかねー」等とダベっていた同性の非モテメイトの友人の幾らかは去ってしまうかも知れない。

しかし気にする事はない。急に変化すると周囲は驚くものだ。そして周囲の自分を見る目が変わってゆき、普段接する人も変わってゆき、自分の周囲の世界が徐々に変化してゆく事が実感できるだろう。その過程を楽しむ位で良かろうと思う。これで男女市場にIPOする準備は完了である。

下準備だけで相当な分量になってしまったので、「男の側からの女性と交際を始める際のセオリーを紹介」「男性側のセオリーを踏まえて女性の側はどう動けば良いのか」等については次回以降としたい。

2015年4月4日土曜日

○スパルタ婚活塾の書評、パートナー探しに悩める愛すべき中年妙齢拗れ独身男女の同類達への讃歌等。

大変に久しぶりのブログとなった。

Twitterでは「ヘッジファンド業界の動向を是非書いてください!」等と言った真面目なリクエストを頂いたりもしたが、週末にそのような仕事のような真面目な事を書く気力が残念ながら筆者のごときでは湧かなかった。そしてスパルタ婚活塾である。ヘッジファンド業界や金融市場の真面目な記事を期待されていたかたには申し訳ない。しかしこれが筆者である。仕方ない。

筆者の芸風も、相場芸人からただのおっさんになって来ている事を大いに感じるが、そんな事は置いておこう。今回は題名の通りで、「スパルタ婚活塾」の書評に絡めながら、パートナー探しに悩める愛すべき中年妙齢拗れ独身男女の同類達への、慈愛に満ちた讃歌を送りたい。

筆者の私生活の話題の中心は、いい中年になって結婚生活の悩みでもなければ、子育て奮闘記でもなく、いまだにパートナー探しであり、ぐるぐると山手線を回り続けるような日々を過ごしている。今や周囲は山手線をとうに降りて、「結婚生活駅」「子育て駅」と言った各自の目的地へと旅立った既婚・子供持ちばかりであり、フェイスブックには子育て奮闘記の話題で溢れている。親には最早孫の顔が見たいとも言われなくなり、筆者の親は姉の子供を見る事で孫の顔が見たい欲求については満足している(双方にとり平和な均衡に到達するに至っているのかなとは思う)。

「自分の人生は山手線、いい歳して山手線、シンガポールにまで来て山手線(注:シンガポールで類似する電車路線としてはMRTのCircle Lineがある。しかしこれは山手線と違い同じ駅を一周ぐるぐる回るようにはなっていない)」。この現実は直視する必要があると感じている。なので今回の話題は婚活なのである。

最初に断っておくとこの文章には最後までオチはないし、自己啓発的に得られる事も何もないし、経済や金融市場に関する知見も全く存在しない。何かを学びたいと思って読むのは時間の無駄である。ただ何となく、昨今の筆者の身の丈で感じる事を、書評に絡めてアナ雪のエルザのごとくありのままに表現してみたかった、ただそれだけである。それでも読みたいと言うかただけ以下に進んで頂けると幸いである。


○スパルタ婚活塾の書評。

スパルタ婚活塾 
水野敬也 


さて、これが今回題材に採り上げたい「スパルタ婚活塾」である。

筆者が勝手に敬愛する文響社、水野敬也氏の著作であり、一言で言えば、女性の婚活を男目線で分析した本である。

非常に面白かったし、「結婚どころかお付き合いする段階に中々至らない、ブレイクスルーが欲しい、厳しい叱咤と共に笑いと励ましを貰いたい」と言う女性には特にお勧めである。また、独身中年男性が読んでもいちいち頷ける事が多く面白いので、疲れた男性婚活の箸休めにもお勧めである。


○実用的な内容が満載。

例えば、女性から意中の男性に意図してスキンシップを図って行く「お触り48手」などは即戦力として使えるものと思われる。確かにこれをされると男は結構さくっと落ちるのだが、これを適切に実践出来ている女性は案外中々居ない。その他にも、男目線で至極その通りなのだが女史側が犯しがちな禁忌と言うのが多数指摘されており、参考になる点が以下の例のように目白押しである。

・「婚活マニュアルでは”聞き手に回れ、相手を褒めろ”とあるが、婚活マニュアルを意識しすぎて会話や行動が通り一遍、ただ褒めるだけ聞くだけになってしまっている女性と話していても面白くない・印象に残らない。」

・「SATC臭のする女はまずダメである。SATC臭とは、肉食系で、凝ったブランドやおしゃれ等に凝っていてカネもかかっているのだが女性目線を気にし過ぎていて微妙にシャープ過ぎて色味がは虫類のごとくやや原色に近いきらいがあり男のツボから外れており、自虐ネタが多く、会話の中身や笑い方がどことなく下品な女である。アラサー以降のハイスペ女史にSATC臭が中年男の加齢臭のように付きがちであり、そうした臭いが身についていないか細心の注意を払う必要がある。」

・「女性は女目線を気にし過ぎる余りファッションの方向性が男受けする所からずれている。男が好きなのは白のワンピースとかシンプルにかわいらしいものでブランドで言えば(女性同士では格好悪いと言われようが)ジルスチュワートみたいのだ。」

・「セクロスの事に及ぶ段になって”私、付き合っている人とでないとしないの”等と言うのは男の気分を萎えさせ、もうこの女史どうでもええわとなる禁忌の筆頭である。付き合うとセクロスの交換とか何の商取引ですか、高いフレンチの店でワインを値切ろうとする男のように全てが台無し。」

...等等。もう男目線からすると、逐一至極その通りである。因みに本書には書いて居なかったが、白のワンピースやジルスチュアート風ファッションに更に一点加えると「ナチュラルで自然に見えるが実際は白いカンバスに絵を描くかのごとく顔を作り込んでいるフルメイク」等も男目線的には重要であろうと筆者的には思ったのでこの場を借りて追加しておく。

男女市場に打って出ようと言う際に、こう言う基礎的な傾向と対策すら打てておらず、ドラクエで言えばスライムを倒して経験値を稼ぐまでもなく討ち死にしている人は男女共に非常に多いのではないかと、ここもとで比較的多数の女性との婚活活動を行いサンプル数だけは増えて来た拗れ中年男である筆者からすると感じる。本書はこうした女性に対して、「男女市場に打って出る際の基本的な武器と防具と道具、言ってみれば男女市場クエストの銅のつるぎ、かわのたて、やくそう2-3個」を面白い文章と手ごろな価格で与えてくれると言えよう。


○一方で、筆者的には賛同出来ない点も。

ただ一方で、筆者的には本書の内容に必ずしも賛同出来ない部分もあったのでこの点についても書いておこう。

この本に出てくる「ツッコミ会話術」「吊り橋理論」と言った、「上げて落としてを繰り返し、男性側が失礼と感じるか否か・怒るかそうでないかのギリギリの所を攻める事で印象付ける」と言ったコミュニケーション上のテクニックは、キャバクラの女の子か、キャバクラの女の子が出来る位の年齢の若い女性向けのテクニックかなとも思われ、筆者は賛同出来なかった。アラサー以降の女性が恋愛だけでなくその先の結婚も見据えるようになった段階でやるのはちょっとリスクがあるかなとも思われたのである。

確かに、プロ女子大生とか二十代でまだ「アラ25」位までであれば、ツッコミ会話術や吊り橋理論を年上のおっさん等にやればかなり印象付ける事は出来る。

なぜか。理由の一つとしては、おっさんは、歳が上になればなるほどそうなのだが、会社でも地位が上になり責任も重くなるため、女性からも往々にして「崇められてしまいがち」であり、内心それを窮屈に感じているからである。時には若い頃のカジュアルなモードに戻りたいと思っている面があるのである。このため、若い女性が「親しみを持ってツッコミを入れていじくって」くれると新鮮に感じるしほっとするのである。

二つ目の理由としては、自分の若い頃を思い出して、「自分も若い頃はこうして無鉄砲だったなあ(実際にはプロ女子大生やキャバクラ嬢は緻密に計算して年上の男性に失礼に当たらないぎりぎりの所を攻めているのだが)、まるで自分の若い頃のようだ」と言った感慨を持つ事になり、「ちょっと変わっているけど面白い子だな」と親近感が湧く、と言った要素も挙げられるだろう。大体おやじキラーの若い女子は、こう言う辺りを体感・経験から目ざとく理解した上で、こう言うスキルを身につけているようにも思う。

しかし、これが通じるのはせいぜい「アラ25」位までの女性ではないかと筆者は感じている。アラサー女史以降は、ツッコミや吊り橋理論的な表面的なコミュニケーションのテクニックで得点が稼げる段階は終わりではないかと言う事である。

アラサー以降になり、恋愛だけでなくその先の結婚も考える、となると結局の所は、仕事とどう取り組んで来たか、私生活をどう過ごして来たか、煎じ詰めるとどう人生を生きて来て今後どう人生を生きてゆきたいか、それが噛み合う異性と出会えるか、と言った長期でのファンダメンタル、Intrinsic Valueが問われる事になるのではないかと。

アラサーになって、表面的なツッコミ術や吊り橋理論的な、相場で言えばどうだろう、一時的な需給要因みたいな小手先の会話技術を駆使されても、「ちょっと落ち着きのない女性だな」「こう言うコミュニケーション技術と若さと見栄えの良さで”ちょっと変わっているけど興味を惹かれるかわいくて面白い子”的な雰囲気を演出して人生乗り切ってきたんだろうな、もうそう言うのも通じなくなりつつある歳だけど」位の印象になってしまう気がするのである。

なぜかと言うと、おっさんが若い女子ではなく大人の女性に求めるのは、そうしたガチャガチャしたコミュニケーション術ではなく、カウンターの鮨屋やバーでゆっくりと人生の話が出来る、あるいは週末に家で映画を観たり一緒に運動したりと言った日常を一緒に自然に楽しめる、と言った「大人の休息的な時間を一緒に過ごせるか」と言った事柄であるようにも思うからである。

加えて、結婚となると、例えば金銭感覚が近くお金の話がきちんと出来るかどうか、子供が欲しいか否か・また子供が欲しい場合は予想される子育ての方針がある程度一致するか、人生プランがかみ合うか(例えば筆者の場合シンガポールに今後も長期で住む予定なのでこの点かみ合わないと難しい。男女間での仕事観等が一致する必要もある。男性側は女性に子供が出来た後も働いて欲しいと思う一方で女性側は専業主婦になりたいあるいは逆、と言った不一致があると恋愛でそこまで考える必要はないが結婚は成立しない)、親の介護諸々の問題等、もっと現実的なイシューとも向き合う必要が出てくる。

筆者は離婚経験があるのでなおの事実感しているが、恋愛段階では考える必要のない上記のようなシリアスなイシューとも、結婚となると「大人同士として」きちんと会話・議論が成立する必要がある。それは本書にあるようなタクティカルなコミュニケーション術だけではカバーしようのない話である。

年齢と共に芸風・持ち味も進化・深化させてゆかないと男女市場での生き残りを果たす事も難しいように筆者は感じている。芸能人も若い頃はアイドル・タレントで若さでやって行けるが、年齢と共に本格的な舞台やドキュメンタリー、ドラマで母親の役等出来るようになる事で初めて長期の生き残りが可能になるのと同じである。本書でカバーしている範囲は、「そもそも恋愛関係に入れない比較的若い女性が、恋愛モードに入れるまでの技術」であると思われ、その先の話については本書は何らの記載がないのである。この点は留意して読む必要があるだろう。

○まとめ、愛すべき悩める中年独身拗れ男女の同類たちに送るエールなど。

とは言え、本書にあるようなコミュニケーション術も、例えば仕事・キャリア一辺倒でデートの会話も仕事の話ばかりで口調も理路整然としてしまい会話に「アソビ」「女性らしさ」「色気」を演出する事が中々出来ないために恋愛モードにすら中々入れないキャリアウーマンや、婚活を意識して世間体的に差しさわりのない模範解答的な堅苦しいやり取りに終始しがちな女性等には参考になる所が大いにあろうかと思われる。

また、最初に述べた通りで「SATC臭が付かないようにする」等の「男女市場に打って出る際の基本的な武器防具、言ってみれば銅のつるぎとかわのたてとやくそう2-3個と言った基本装備」が男目線できっちり書かれている稀有な本でもある。銅のつるぎとかわのたてとやくそう2-3個も持たずにひのきのぼうだけで男女市場に突進してスライムにすら勝てずに冒険がスタートしない所で人生が頓挫してしまっている男女も非常に多いのは確かだ。まずは男女関係モードに入れないとその先の結婚だの子供だの親の介護だのの話題をする事も適うはずはなく道のり遠しなのもまた確かであり、本書はその段階を突破するための銅のつるぎを読みやすい面白い文章で安価に提供してくれている。

加えて、「結婚に執着しつつも、それと同時に執着しない余裕を持っていなければならない」と言う禅問答のようなくだりなど結婚だけでなくお金とかキャリアとか他の分野でも言える話であり、更に本の最後は泣けると言うか感動する。笑いを追求しつつも実践的に役に立ち、所々人生の本質を突いており涙と感動がある、と言う水野節が見事に発揮されている。筆者と共に男女市場で迷える独身中年おっさん、また独身妙齢女性の箸休め兼実践の書として、是非お勧めしたい。

悩んでいるのはディスプレイの前の貴方だけではなく、ディスプレイの向こうの筆者も同様である。今日もまた、フェイスブックでは友人知人の子育て奮闘記だの久々に旦那(嫁さん)に誕生日を祝って貰ってデートしてちょっとうれしかった(はーと)だの勝ち組感一杯の話題に溢れる中で、筆者は独りシンガポールの南国を漂流している。

ただ、漂流生活もそれはそれで楽しいものだ。男女市場の冒険者仲間も出来るし、独り暮らしだからこそ出来る自由や楽しみもある。人生をあてもなく漂流しながら目に映る景色や体験する人生経験もそれはそれで味わいのあるものだ。まずは今日のこの日を楽しもうではないか。

そんな訳で、似たような境遇にある愛すべき悩める中年独身男女の同類たちに、「スパルタ婚活塾」と言う銅のつるぎとかわのたて+やくそう2−3個を掩護射撃として紹介しつつもエールを送りつつ、相互の健闘と幸運を祈る事としたい。おお神よ 中年・妙齢拗れ独身男女たちに あなたさまのご加護の あらんことを!(ドラクエの神父さんより)